ざぼん漬
お風呂に入るような幸せ
ざぼん(ザボン・朱欒)というのはアジア南部原産の柑橘類。ハッサクやグレープフルーツと同じ仲間である。ボンタン(文旦)はザボンの一品種。かつては船員達が水がわりに食していた果物で、ちょっとほろ苦くて、果汁たっぷりなザボンはインド洋から東シナ海へと熱い航路を抜けてくる船員達の乾いた喉をさぞ潤したことであろう。ちなみに「ザボン」という独特の響きの或る言葉はポルトガル語である。
ところで、江戸時代の長崎にやってきていた船は、船底に重石代わりに砂糖を積んでいたという。その為当時の長崎には砂糖が豊富にあった。その豊富な砂糖で、ザボンを漬けたのがこのザボン漬けである。ザボンの外側の硬い皮と果肉との間にある軟かい皮を茹でてアクを抜き、水飴や砂糖で炊いて、さらに砂糖に漬け込む。蜜の濃さで味が変わるという。食したザボン漬はほんのり苦く上品な甘さで、果肉部分がゼリー状になっていた。じわっとその美味が口腔に広がり、柑橘類のあの爽やかさにしばし包まれる。とても幸福な気分だ。
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くろせ弘風堂


- 場所: 長崎県長崎市諏訪町8-4
- 交通: 公会堂前駅から徒歩
- 駐車場: なし
- 時間: 9:30~21:30
- 休み: 無休
- メニュー: ざぼん漬け、カステラ、饅頭
- カード: 不可
- 問い合わせ: 095-822-3602
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