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白子 冬の絶品食材 冬が旬の食べ物

白子

「魅惑」の冬の「味覚」

ああ、グロテスクとさえいえるようなその見た目とはうらはらに、このとろけるような美味しさはなんだろう。臭みも苦味もなく、官能的な旨味と甘みが折り重なって迫ってくる。それは、極上の体験。まるで、脳の真ん中をくすぐられるような目くるめく興奮。

「白子」は、その名の通り、真っ白な色をした魚介類の「精巣」。新鮮な生のものは、ややピンクがかった透明感のある白さをしており、さっと湯通ししたり、炙ったりと熱を通すと雪のような白さとなる。タラの白子のほか、アンコウ、フグ(トラフグ、マフグなどの可食用のもの。クサフグ、コモンフグ、ヒガンフグなど種類によっては白子にも毒があります)、鮭、イカなどの白子も食用とされるが、白子といえばやっぱりタラ。タラは主に真鱈とスケソウダラの白子が食用にされるが、味わい、大きさ、値段共に軍配が上がるのはやはり真鱈の白子だろうか。

地域によっては「タチ」「タツ」「タヅ」「雲子」「雲腸」「だだみ」「きく」「きくこ」「きくわた」などとも呼ばれ、刺身、ぽん酢、天ぷら、焼き物、吸い物、そしてお鍋と、どのように調理しても、それぞれのアプローチで食する者を魅惑して離さない。

個人的な嗜好ですが「白子」は、「ウニ」「ほや」に並ぶ魚介系食材三大巨頭だと思っている。自分がもし、お金持ちだったなら、絶対に身体を壊すに違いない。毎日のように、白子を食べて、食べて、食べて。痛風、まっしぐら。なぜ、酒にあう食べ物は、身体に負担が大きいのだろう・・・。なぜ、身体に悪いものは酒によくあうのだろう・・・。実に悩ましいのです。

ところで。白子と聞くとなんとなく苦手、という方もいるだろう。「見た目」や「とろける」感じが苦手・・・独特の風味が・・・など。でも、食べず嫌いな方は勿論、食べたことはあっても「生臭い」とかそんな理由で敬遠している人が居たら、是非一度、新鮮捕れたての白子を出来れば産地で味わってみてもらいたい。見た目やとろける感じは仕方ないにしても、新鮮な白子は変な「生臭み」は一切なく、海の息吹と、生命感あふれる力強さ、芳醇でコクのある旨味を感じることができる。ちなみに、白子の主な産地は、北海道、青森と、秋田、山形などの日本海沿岸、および岩手、宮城など。白子(真鱈)を水揚げしている港町の居酒屋や小料理なんかに足を運ぶのも手だ。

白子のおすすめの食べ方

白子をお好きな方はご存じの通り、基本的にどんな食べ方をしても新鮮なものなら美味・絶品なのだが、例えば白子があまり得意でない人なら、天ぷらがおすすめだ。外側の衣のかりっとさくっとした感じと、中のとろーりとろとろの味わいは、一度ハマれば病み付きになる。もう一つ、おすすめの食べ方は、焼き白子。白子をさっと焼いただけだが、香ばしさの中に白子本来の甘みを感じることができる。塩を一振りし、レモンやスダチを絞れば完璧だ。

いずれにしても、命の源である「白子」は、プリン体のかたまりでもあるので、やはり食べすぎには注意したほうがよさそうだ。

焼き白子
焼き白子

Japan Web Magazine 編集部

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