下灘駅
公開日: 2010年10月21日 | 最終更新日 2023年10月20日
遠い記憶
透明の中に、青色と白色とオレンジ色を流し込んだような静寂。光は柔らかく微笑み、風はゆったりと頬杖を付く。たゆたう雲は佳日の記憶。ぬくもりと優しさと切なさと寂しさが同居する。郷愁は流れゆき、日は又繰り返す。そはひっそりと佇んで何を思う。遠い目をして微動だにせず。
愛媛県伊予市双海町の海岸線沿いにその駅はある。「夕日の名所」としても有名な駅から見える素晴らしい風景は、青春18きっぷのポスターをはじめ、映画やドラマ、CMなどでも使われたのでご存知の方も多いだろう。
JR四国・予讃線「下灘駅」。
かつて「日本で一番海に近い駅」といわれた駅だ。
当時はプラットホームのすぐ下に波が打ち寄せ飛沫をあげていた。やがて海岸が埋め立てられホームと海との間に国道が通ったので「日本で一番海に近い駅」ではなくなってしまったが、現在でも海に近いことには変わりはない。プラットホームにあるベンチに座ると目の前には美しい伊予灘の海が広がり、心地よい風が吹き抜ける。
下灘駅に入線する予讃線(八幡浜方面行)。下灘駅に停まる列車は朝の時間帯を除き、大体2~3時間に一本程度。或る年の或る日の時刻表では、16時20分に松山駅方面、同38分に八幡浜方面、17時49分に松山方面、18時37分に八幡方面行といった具合です
下灘駅の絶景をフルスクリーンで見る
各ボタンの説明
- 文字を隠す・表示: クリックで文章を隠す事ができます。再度クリックで文章を表示。
- 各数字: クリックするとそれぞれの写真へ
- <前の写真へ: クリックで前の写真へ
- 次の写真へ>: クリックで次の写真へ
下灘駅で絶景を撮る・見る際に気をつけたいポイント
2010年に初めて訪れて以来、下灘駅は何度か訪れる機会がありましたが、海外のテレビやSNS、youtubeなどで紹介された影響もあり、国内はもとより海外からも沢山の観光客が訪れている印象です。数日の間に日を変えて訪れたり、同じ日に何度か足を運んだこともありますが、訪れる時間やタイミング、天候などによっても混雑具合は変わってくるものの、やはり休日のよく晴れた日の夕方はとても混雑していました。感覚的には14~15時頃から人が多くなる印象です。
日によっては、午後早い時間からホームの同じ場所に三脚を立てて場所取りをしている人もいて、さすがに車両が入ってくる場所に近すぎたことと、あまりの長時間同じ位置で場所取りをしていたこともあり、他の観光客とトラブっていましたが、美しい風景、夕暮れの絶景、海と駅と鉄道の写真を撮りたいという気持ちは程度の差こそあれ、わざわざこの駅を訪れる人はきっと誰もが持っているかと思います。マナーを守り、譲り合って気持ちよく過ごしたいものです。
おすすめはよく晴れた冬の日の夕方。それも日没の少し後の時間帯。透明感のある空が刻々とその色を変えながら、その下で海の水が日没後の「残照」に照らされて淡く光っている風景はまさに絶景です。撮影の際、露出補正を少しマイナスにしておくと、シルエットが浮かび上がってとてもきれいに撮影できます。
下灘駅の詳細データ
下灘駅(しもなだえき) DATA
- 場所: 愛媛県伊予市双海町大久保
- 交通(公共交通機関で): JR予讃線下灘駅下車
- 交通(車で): 松山自動車道伊予ICから国道378号を大洲方面に約30分
- 駐車場: あり
- 期間: 通年
- 問い合わせ: 089-986-1231(伊予市観光協会双海支部)
下灘駅
+-で地図を拡大縮小