桜海老
公開日: 2009年5月12日 | 最終更新日 2023年6月5日
桜色の絨毯
一年に二回、春と秋になると晴れた日の富士川の河川敷は美しい桜色に染まります。近くの由比港で水揚げされた桜えびが天日の下で干されるのです。
国道一号線のバイパスや東名高速道路が出来る以前は由比から蒲原にかけての海岸の砂浜に干されていたという「桜えび」は、現在はこの富士川の河口近くの河川敷に干されています。個体数を保護するため、産卵繁殖期にあたる時期の桜えびは禁漁となっていますが、毎年4月と11月に漁が解禁になり、富士川河川敷も桜色に染まるのです。
黒い網の上に重ならないように撒き広げられた桜えびたちは、1億5千万キロメートル彼方からやってくる「光」を体中に浴びて、その色を淡く変えてゆきます。色が変わるほどに、旨みは凝縮され、ぱらぱらの小さな体の中にぱりっとした美味しさを含んだ、お好み焼きや富士宮焼きソバにアクセントを加味する重要な食材となるのです。
桜エビを干す作業は大抵午前中に行われます。昼時になると、数人で網の縁を持ち、揺さぶりながら干し終わった桜えびを真ん中に集めてゆきます。
干された桜えびは袋詰めにされて「干し桜えび」として売られるほか、様々な加工を施され全国に出荷されていきます。
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富士川河川敷(桜えび干し場) DATA
- 場所: 静岡県静岡市清水区蒲原
- 交通: JR東海道本線「新蒲原駅」から徒歩20分またはタクシー
- 駐車場: 有
- 問合せ先: 0543-85-3111
富士川河川敷