六兵衛
公開日: 2008年6月5日 | 最終更新日 2015年5月19日
さつまいもの甘味と ダシの香り
長崎県の島原半島はかつて未曾有の飢饉に見舞われたことがある。眉山が崩落して、有明海に津波が巻き起こり、沿岸一体に大被害を与えたのである。1792年(寛政4年)のことだ。「島原大変」と呼ばれるこの災害以来、さつまいもが重要な主食の一つとなったのだが、このさつまいもを粉にして麺状にし、ダシとともに食する食べ物がこの「六兵衛」だ。深江村の名主、六兵衛が考え出したと言われている。
山芋をつなぎにつかって押し出し製法で作られるこの麺、実際は麺と呼ぶには切れ切れで、その形状はどちらかと言うと薇(ぜんまい)に近い。
その食感もまた独特で、もっそりした中にもどこかもちっとした部分があり、芋のでんぷん質が感じられる。
対馬にも「六兵衛」と呼ばれる食べ物があり、こちらもさつまいもを主原料にして作られる。地理的に決して近くはない地に同じ名前で同じような食べ物があるのが興味深い。島原から渡った人が伝えたものであろうか。
六兵衛の作り方
主な材料
芋粉、やまいも、水、だし汁、うす口醤油、小葱
作り方
芋粉に山芋をすりおろしていれ適宜水を入れてこねたのち、押し出し器で沸かしたお湯の中にこれをいれ茹で上がったら、ダシをかけ、ねぎを載せて出来上がり。
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郷土料理六兵衛
- 場所: 長崎県島原市萩原1丁目5916
- 交通: 島原鉄道島原駅から徒歩10分
- 駐車場: あり(無料)
- 時間: 10:30~22:30(閉店23:00)
- 休み: 火曜(祝日の場合は営業、1月1日)
- メニュー: 六兵衛 400円・まんじゅう 80円
- 問い合わせ: 0957-62-2421