石田城 五島氏庭園(心字池庭園)
かつては三方を海に囲まれていたという海城「石田城」は五島列島福江島の東側、五島市の中心部に位置する城。築城されたのは1863年(文久2年)と、江戸時代も末期の頃だが、異国船が多くやってきていた幕末期の海上防衛のため、砲台も設けられていた。
その石田城二の丸に今も残るのが国の名勝に指定されている五島氏庭園だ。
1858年(安政5年)から約2年の月日をかけ造園されたもので、邸宅と共に、肥前福江藩の第10代藩主・五島盛成の隠居所として造られたという。そのモデルとなったのは京都の金閣寺。金閣寺をぐるりと取り囲む庭園をモデルに京都の僧「善章」が作庭した。とはいいながら、ソテツやビンロウジュ、オオタニワタリといった南国の木が多く配されており、京都の庭園とは雰囲気を大きく異にする、生命力にあふれた庭だ。