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男鹿で出会った絶品「ダール」の話 秋田の美味しいグルメ

みそダールちゃんぽん

吹雪の日に救世主に出会う

今日は寒い季節に秋田で出会ったポカポカ温かグルメをご紹介します。

冬の男鹿半島

2月のある日のこと。時は13時過ぎ。所は秋田県の西、日本海沿岸部です。その日は朝から雪でした。それも次第に激しくなっていく雪です。

取材の際、スケジュールが詰まっていると「ランチ」がおろそかになることも少なくないのですが、この日はきちんとした朝食を摂れなかった為にあまりにお腹が空いていたこともあり、男鹿半島に向かう道すがら、昼食をしっかり食べられる場所はないかと国道沿いのお店を探していました。

風と雪がどんどん強くなり、いよいよ視界が怪しくなってきた頃、ふと進行方向左側にラーメン屋さんらしき看板があるのが目に入ってきました。一切の躊躇なく方向指示器を出し、よくは見えないものの、ミラーで左後方の安全確認してからゆっくり左折です。

駐車場には車が数台。お昼時間を随分過ぎているからか、雪国特有の二重扉を入った店内は、だいぶ落ち着いていて席も余裕がありました。

国道沿いのラーメン屋さん

店内

大将らしきオヤジさんと言葉を交わし、入口右手側に着席します。

らーめん 中華 一龍 船越店

広めのテーブル席に座り、端におかれていたメニューを見たり、ラミネート加工された一押しメニューを見比べたりしながら、注文の品を悩みます。

ダールラーメンとみそダールちゃんぽん

なんとなく顔を上げると目に飛び込んできた「ダール」の文字。

メニューを見ている時には、男鹿なまはげラーメン「赤鬼とんかつラーメン」「青鬼とんこつラーメン」という、「いかにもご当地グルメ向けに開発されました的メニュー、でも写真を見ると美味しそう〜なラーメン」や「青鬼餃子」「赤鬼餃子」といった品々を見比べつつ、「赤鬼か青鬼か、どちらにしようかな・・・」と鬼の色に心揺れていたのですが、「名物 ダール」の文字を見た途端、俄然そちらが気になってしまいました。

2人の女の子の間で迷っていたら、突然気になるカワイイ子が現れた時の男の子はこんな気持ち?よくわかりませんが、とにかく「ダール」が気にかかって仕方ありません。

寝ても覚めてもその子のことばかり考えてしまう、、、。的な。

秋田はとても大好きな場所ですし、これからも機会があれば何度でも来るつもりでいますが、とはいえ、近所にある訳でもないこのお店に、そうしょっちゅう来ることも出来ません。

らーめん 中華 一龍 船越店

赤鬼も気になるし、青鬼も気にかかる、、、でも謎の「ダール」はもっと気になる、、、。

悩みに悩んだ末(数分)、お水を持ってきてくれたお店の方に聞いてみることにしました。

「ダールって、なんですか?」

「ダール初めて?スープにとろみがあって、ダラッとしてるからダールです。」的なご説明(記憶がおぼろ)。

正直、着丼後のインパクトで、教えていただいた説明はきれいさっぱり忘れてしまいました。

いずれにしても、どうにも気になる「ダール」さん。青鬼、赤鬼は開発グルメっぽいし、、、(美味しければそれでも全然問題はないのですが)。やっぱりダールに決めた!

というわけでダールさんに告白。いえいえ、ダールさんを注文しました。正確には「みそダールちゃんぽん」。

絶品 みそダールちゃんぽん

みそダールちゃんぽんみそダールちゃんぽん

「雪が激しくなってきたなぁ・・・」「お腹減ったなあ・・・」とぼんやりと何回か交互に考えた頃、丼が運ばれてきました。

説明通りの「どろっ」としたビジュアル。見たことありそうで見たことのない、「味噌色のクリームシチュー」といった見た目です。所々に具材が頭を出していますが、濁り温泉のように水面下は見えません。

見た目はさておき、香りはいかにも美味しそう。

早速お汁を頂きます。レンゲですくいあげると、見た目よりもさらに「どろっ」と感がダイレクトに伝わってきます。粘度が高く、かなり熱そうなので念入りに「ふぅふぅう」してから、一口。

「〜〜❤️」

口の中に広がる複雑なうま味。野菜や肉の旨みが溶け込んだ味噌味のスープは、ゆっくりと、体の中に染み込み、冷えた心と体を優しく暖めてくれます。幸福感が全体に広がります。

この美味しさは、たんにお腹が減っていたから、というわけではありません。スープのベースは味噌味が濃いので判別しませんが、動物系に魚介ダシと野菜の定番でしょうか。

とにかくコクがあって旨みが深く、じっくりジンワリ細胞に沁みてくる感じです。

みそダールちゃんぽん 麺を引っ張り上げて持ち上げてみました

麺は中太のちぢれ麺。しっかりとスープの餡が絡まります。もっちりと歯ごたえがあり、どろっとした強いスープにとてもあいます。近くにほかのお客さんがいないのをこれ幸い、ズルズルと人目も気にせず(麺類を食べる際はどのみち気にしませんが)、一気呵成にすすっていきます。

こういう時は、「麺料理を、音を立てて食べる文化の国に生まれてよかったー!!」と心から思います。しずしずと音もたてずにゆっくりと食べたり、レンゲに麺を置いてから口に運ぶ、という食べ方ではこの「香りもろとも口の中に運ぶことによってのみ体験できるダイレクトで豪快な美味しさ」というのは味わえないでしょう。

スープが濁っているために、どんな具材が入っているのか全容は見えませんでしたが、麺を食べ進めるうちに、色々な子たちが顔を出してきました。

白菜やニンジン、もやし、かまぼこのほか、キクラゲ、イカ、アサリ、エビ、豚肉、etc。

みそダールちゃんぽん

みそダールちゃんぽん

みそダールちゃんぽん

みそダールちゃんぽん

みそダールちゃんぽん

みそダールちゃんぽん

みそダールちゃんぽん

みんなが力を合わせて、この丼を美味しくしてくれているのかー!と愛おしくなります。

それぞれ旨味を出しながら、餡に絡み合い、「みそダールちゃんぽん」を形作っています。

「ハフハフ、ずるずる、モグモグ、ごっくん」を繰り返しているうちに、丼はあっという間に空に。

文字通り、本当に「あっ」という間の出来事でした。ごちそうさまでした。

とにもかくにも、吹雪で視界が悪い中、お腹ペコペコだったので、とっても助かりました。大変美味しゅうございました。

注文の際にニンニクは?と聞かれ、この後の取材を考慮して入れない選択をしましたが、おろしニンニクを入れるのもいいかもしれません。

次にいつこちらのお店に来ることができるかはわかりませんが、その時も「赤鬼」や「青鬼」と迷いながら、結局この「みそダールちゃんぽん」にする気がします。いや、醤油味の「ダールラーメン」を試してみようかな?


らーめん 中華 一龍 船越店
食べ終わってお店の外に出たら、奇跡的に雪がやんでいました。

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地図

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その場所に行ったら、見るべき場所、食べるべき料理・スイーツ、訪れるべきスポットなど、有名無名を問わず独断と多少の偏見と多分の好みを交えてご紹介します。好きなものはカレー、苦手なものは喧噪。

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