春の奈良 桜と東大寺の風景
公開日: 2023年3月25日 | 最終更新日 2024年3月24日
奈良時代から続く仏教の聖地
日本に数ある寺院・仏閣の中でも、京都の清水寺や金閣寺、東京の浅草寺などと並び、トップクラスの知名度と人気を誇るお寺、奈良の東大寺。
その長い歴史もさることながら、重厚でどっしりとした門や金堂(大仏殿)などの伽藍(がらん)の素晴らしさや、巨大な大仏や仁王像の存在感は圧倒的であり、訪れるものの心に強い印象を残します。人の手で作り上げられた巨大かつ精緻な存在が眼前に展開される様は、日常生活の中では到底目にすることはないものであり、それを作り上げるに要した膨大な時間と技術が凝縮された状態でダイレクトに脳の中へ流れ込んできて、心を「これでもか」と揺さぶるのです。数多の人々の汗と涙の結晶が、想像を絶するほどのボリュームでもって、私たちに迫りくるのです。
巨大な存在は、その大きさと複雑さによって私たちの感覚を刺激し、同時に、その細かな意匠で神経に作用します。微に入り細を穿つ作業の連続の痕跡が、数百年の時を超えて私たちを深く魅了するのです。
というわけで、今日は奈良時代から続く日本の仏教の聖地であり、今や世界遺産の一つとして世界中から観光客が訪れる有名スポットでもある「東大寺」の春の風景、桜と「東大寺」の風景をお届けします。
世界最大の木造建築物である「金堂(大仏殿)」を初め、数多くの国宝や重要文化財が点在する境内は、重厚感と共に、開放感や清潔感にもあふれています。そこに「桜色」が加わる春には、さらに柔らかさと優しさと可愛らしさも加わって、或る意味、最上で最強の「極上」の風景を楽しむことができるのです。
まとめ
東大寺は、8世紀半ば(大仏開眼会が752年、大仏殿竣工が758年)に完成して以来、火災や戦乱など幾度も苦難に遭遇しながらも再建されてきました。奈良時代から、平安時代、鎌倉時代、戦国時代~江戸時代、そして明治、大正、昭和、平成と、超えてきた時代を見るだけでも、その歴史の長さは驚くべきもの。
1998年には世界遺産にも登録されており、国内はもとより海外からも数多くの観光客が訪れる著名観光スポットの一つとなっています。修学旅行や、一人旅、友人・知人・パートナー・家族との旅行などで訪れたことがある人も多いのではないでしょうか。
とはいえ、自分で目的地として決定して足を運んでいる一人旅であればまだしも、修学旅行や人に連れられての旅であれば、なんとなく訪れて何となく見ただけ、という人もいらっしゃるかもしれません。そんな方にはぜひ一度、一人で訪れてみることをおすすめします。
自然の偉大さ、雄大さとはまた異なる、人間の手により作り上げられた存在の素晴らしさ。その威容。一朝一夕には出来上がることのない、長い年月によって刻まれてきたもの。
創り出すものには限りがないように思われる自然の力に比して、人間の創造力、想像力もまた、限りがないであろうことを強く感じさせられます。それは同時に、「一個人」がどんなに限られた存在であるかを再確認させられる作業でもあります。感動と希望と興奮と高揚と無力感と諦念。そんなものが「ない交ぜ」になってやってくるかもしれません。有名観光地だから、といって「なんとなく」見てしまう、通り過ぎてしまうには、あまりに勿体ない、素晴らしい場所の一つ「東大寺」。
桜の時期には、その素晴らしさが5割も6割も増す気がします。(人出も増しますが。)
桜の奈良、春の東大寺、ぜひ一度、訪れてみてくださいね。
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東大寺 (とうだいじ) DATA
- 場所: 奈良県奈良市雑司町406-1
- 交通: 近鉄奈良駅より奈良交通バス市内循環線で約4分大仏殿春日大社前バス停下車、徒歩約5分
- 車で: 第二阪奈道路宝来ランプより約15分。または京奈道路木津ICより約15分
- 駐車場: 無(近隣のコインパーキング利用)
- 拝観料金:大仏殿・法華堂・戒壇堂へは大人600円、小人300円。セット券(大仏殿・東大寺ミュージアム) 大人(中学生以上)1,000円 小人 400円(大仏殿または東大寺ミュージアムにて購入可。)
- 拝観時間:
4月〜10月:大仏殿7:30~17:30 法華堂(三月堂)・戒壇院千手堂 8:30~16:00 東大寺ミュージアム 9:30~17:30 (最終入館17:00)
11月〜3月: 大仏殿8:00~17:00 法華堂(三月堂)・戒壇院千手堂 8:30~16:00 東大寺ミュージアム 9:30~17:00 (最終入館16:30)
☆ライトアップは例年7月中旬から9月下旬まで。7・8月 19:00~22:00 9月は18:00~22:00 - 問い合わせ: 東大寺寺務所/0742-22-5511
地図
東大寺