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熊本の郷土料理・熊本の食べ物

熊本の郷土料理・熊本のグルメ

熊本の食べ物

魅惑の「火の国」熊本のグルメ

「火の国」として知られる熊本は、一方で名水100選にも選ばれた白川水源や菊池水源、轟水源、池山水源(同一県内で4箇所選ばれているのは熊本県と富山県のみ)に代表される清らかで美しい「水の国」でもある。特に中心都市熊本市は70万人を越える人口を抱えながら、市内で消費される水を全て地下水でまかない、日本一の地下水都市を謳う世界的に見ても稀有な都市なのだ。その豊かで綺麗な水は、もちろん人のみならず、作物をも元気に育てる。

阿蘇山を始めとした山々、有明海、八代海(不知火海)、東シナ海に囲まれた多彩な環境、豊かな自然に育まれた新鮮で力のある海の幸、山の幸。それらから生み出される様々な美味なる品々。かつては藩外不出だった名物料理や、新鮮素材で作られる寿司、刺身、汁物。長年に渡り世代を超え家庭に伝わってきた郷土料理の数々。そんな魅惑の熊本の郷土料理、熊本グルメの一部をみてみよう。

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馬刺し | 馬刺し(レバー刺し) | このしろの姿寿司 | ガラカブの唐揚げ | ガラカブの刺身 | 熊本ラーメン | 辛子蓮根 | 一文字グルグル | だご汁 | 高菜炒め | 豆酩 | いきなり団子

馬刺し

熊本のグルメといえば、まず馬刺しを思い浮かべる方も多いだろう。国内では熊本のほか、長野、山梨、福島、山形、青森の一部地域で主に食される馬肉は、牛肉や豚肉に比べて低カロリーで低脂肪、コレステロールも少なく高タンパクなことから、以前から健康食としても注目されている食材。その馬肉のもっともポピュラーな食べ方が馬刺しだ。特に熊本では新鮮な馬の肉が手に入りやすい事から、馬刺しが良く食べられ、食べられる部位の種類も多い。ヒレやタン、ハツの他、「こうね」と呼ばれるたてがみの生える部分の脂身や「ふたえご」と呼ばれるアバラの三枚肉部分、レバーなどが人気だ。馬肉の脂身は他の肉と比べ融点が低いので、舌の上にのせるととろける。口に含んだ瞬間にとろりと溶け、口の中一杯に広がっていくその旨みは好きな人にとってはたまらないもの。まさに病みつきになる味なのだ。

馬刺し

   

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馬刺し(レバー刺し)

牛のレバー刺しと比べると臭みが少なく、コリッ、プリッとした食感が特徴の馬のレバー刺し。独特の甘味ととろけるような食感で好物にあげる人も多い。上品で旨みの深いその味を一度知れば、リピーターになってしまう気持ちも納得。その人気と流通量の少なさから、今や熊本県下でさえ品薄な場合もあり、中々に稀少な一品だ。

馬刺し

   

このしろの姿寿司(コノシロの姿寿司)

コノシロはニシン目の出世魚。寿司屋で見かけるコハダや新子はこのコノシロの小さい頃の呼び名だ。新潟以南から東・南シナ海北部の湾、汽水域に多く棲息し、熊本近辺でも特に八代海や天草などで沢山獲れる。漢字で「魚」に「冬」と書くように冬が旬のこのコノシロは昔から熊本では良く食べられてきた魚で、刺身やつみれのほか、南蛮漬け、みりん干し、そしてぶえん寿司と呼ばれる酢でしめ、切り身にして具材と共に酢飯と混ぜる食べ方もある。さらに、正月に良く食べられるのがこの姿寿司。コノシロを開き、塩に漬けてから酢でしめ、ご飯を詰めて作る。特に八代や天草地方などでは、このコノシロ姿寿司がないと年が明けないと言う人もいるほどに愛されている料理だ。

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ガラカブの唐揚げ

ガラカブとはカサゴ(ガシラ)の事。赤褐色~山吹色の体と大きめのヒレを持ち、一目でそれとわかる少々派手な見た目をした、煮付けにしても唐揚げにしてもおいしい魚だ。中でもアヤメカサゴのことを、熊本ではガラカブ(またはアラカブ)と呼ぶ。ガラカブは食欲が旺盛で比較的釣りやすいので、釣り人に人気の魚だが、食事処や飲み屋に足を運ぶ人たちにもまた人気の魚だ。メニューに載っていても品切れの事もままあるほど。魚は見た目が拙い魚ほど美味しいという定説通り、大変味の良いことで知られていて、引く手数多なのだ。特に、このガラカブを背中側から開き、唐揚げにしたものにちょいと塩を振り、手で持ってばりばり食べると、もう最高。勿論、刺身、味噌汁、煮付けに塩焼き、照り焼きも美味。

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ガラカブの刺身

揚げてよし、煮てよし、焼いてよしのガラカブは、勿論刺身も絶品だ。外見からはちょっと想像がつかないような美しい薄紅がかった白身で、クセがなくとても上品な味わい。葱ともみじおろしと共に、ぽん酢や醤油にちょいとつけて頬張ったなら、幸せな一時が訪れるだろう。日本酒党としては、水の美味しい所に銘酒ありの熊本の美味しい日本酒をおちょこできゅっとやりたいところだが、もちろんもう一つの熊本の銘酒・球磨焼酎をやるのも大賛成。淡白ながらも芯の強い味わいで、焼酎の濃さにも負けない旨みをもった魚なのだ。

ガラカブの刺身

熊本ラーメン

九州には、ラーメン好きのみならず殆どの人がその名前を知る全国区のラーメン、博多ラーメンがあるが、もう一つ忘れてはいけないのがこの熊本ラーメン。今や、熊本県外にも多数「熊本ラーメン」の名を冠する店があり、テレビや雑誌、インターネットなどで特集を見かけることもあるので、馴染みの方、好きな方も少なくないだろう。スープがトンコツベースという点では博多ラーメン(長浜ラーメン)や久留米ラーメンと共通しているが、細麺主体の博多ラーメンに対して、熊本ラーメンは太目の麺が多く、さらに香ばしい揚げニンニクとマー油(にんにくを揚げて作る油)がトッピングされている店が多いのも特徴。コクがありながらもしつこくなく、まろやかで深い旨みの熊本ラーメン、お昼やおやつは勿論、熊本の海の幸、山の幸を食べ、お酒を堪能した後の〆にもぴったりなのだ。JWMオススメの熊本ラーメンの店詳細へ

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辛子蓮根(辛子レンコン)

旅の醍醐味の一つは、その場所ならではの食べ物を、「出来立ての状態」で頂けることではないだろうか。熊本の名物として名高い辛子蓮根は病弱だった細川家の殿様の為に考案されたといわれている料理で、茹でたレンコンに熊本産の麦味噌と辛子を練り合わせたものをつめ、衣をつけて揚げたもの。通常、土産物なら冷たい状態で食されるのが一般的だが、地元の居酒屋でこの辛子蓮根を注文すると作りたて、揚げたてを持ってきてくれることも少なくないのだ。これが、まさに目から鱗と言うか、衝撃的なのである。まず圧倒的に香りが違う。そして甘みが違う。揚げたてを一口頂くと、冷たい辛子蓮根では味わうことの出来ない、芳醇な香りを纏った温かい蓮根の甘みと中につめられた辛子のつんとした辛味が絶妙なバランスでもって口腔内に広がり鼻腔と喉下にぬけていく鮮烈な感動的衝撃を体験する事が出来るのだ。

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一文字グルグル(ひともじグルグル)

この可愛らしい名前と見た目の食べ物の正体は、分葱(ワケギ)。さっと茹でて冷たい水にくぐらせた葱を、根っこの部分からぐるぐるっと巻き、酢味噌をつけていただく熊本の郷土料理だ。葱はかつて、宮中の女房言葉で「ヒトモジグサ」と呼ばれており、その「ヒトモジグサ」をグルグル巻きにするところからこの名がついたという。とはいえ、この愛嬌のある名前の食べ物が生まれた経緯は、その名前の由来の優雅さに反するもの。今から230年ほど前、熊本の藩主細川重賢が藩の財政を立て直すために藩士達に節制倹約を命じた際、酒の肴なども贅沢品として指摘されたが、そんな中で手に入りやすかったワケギを利用して考え出されたのがこの「一文字グルグル」だったという。江戸の時代、倹約の中で生み出された食べ物とはいえ、飽食の現代に頂いても決して劣るものではなく、甘味や香りが豊かで、突き出しや肴にはもってこいの一品なのだ。

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だご汁(だごじる・だごじゅる)

具沢山で見るからに滋養たっぷり、身も心も元気になりそうな汁物がだご汁だ。「だご」とは小麦粉で作ったスイトン状のものの事。いわゆる「だんご」のことだ。「だんご汁」が地元の言葉では「だご汁」、さらに球磨地方では「だごじゅる」となる。出汁に味噌や醤油で味をつけ、根菜類やきのこを入れ、こねた小麦粉をちぎりいれる。すいとん、おきりこみ、ひっつみ、はっとなど日本各地に似た様な料理が沢山あり、同じ九州内にも大分を中心に「だんご汁」があるが、熊本のこのだご汁(だごじゅる)は大分のものほど麺の形をなしてはおらず、こねた小麦粉をやや平たくして手でちぎり入れる形式が多い。(もちろん本来家庭料理なのでバリエーションあり)味は見た目通り、すいとんなどに似ている。忙しい農家の人々により、手軽に手早く簡単にしかも栄養があっておなかも満たされる料理として考案されたというこのダゴ汁は、元々は自家製の野菜や根菜類などあり合わせの材料で作られていたシンプルなものであったというが、いまやしっかりと鶏がらや昆布でとった出汁に肉やキノコも入った名物郷土料理としてお店でも食べられる洗練されたものに。様々な素材から染み出た旨みが出汁の美味さ、味噌や醤油の旨み香りと融合して、身体に浸透していく。旨みと共に幸せが浸透していく感じだ。九州とはいえ、山間部は意外に寒い熊本の冬には特に欠かせない郷土料理、お袋の味だ。

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高菜漬けの炒め物(高菜炒め)

熊本県阿蘇地方で収穫される阿蘇高菜は、福岡県筑後地方で獲れる三池高菜と並ぶ名産品。この阿蘇高菜を乳酸発酵させて作られる高菜漬けは、まろやかな辛味と酸味と旨みが絡み合った絶品お漬物だ。高菜漬けは、そのまま頂いても勿論美味しいが、さらにそれを軽く炒めゴマをぱらりと振ると、見ただけで涎が湧き出すような食欲を刺激する品となる。酒のつまみに、ご飯のお供に。ああ、これがあるだけで幸せを感じてしまう、なんて人も居るに違いない。この高菜をご飯や卵と共に炒め、塩や醤油で味付けした高菜めしは、阿蘇の郷土料理として定着している。

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豆酩(とうべい)

熊本の山間部・五木村、五家荘(ごかのしょう)地域に壇ノ浦の合戦の後落ち延びてきた平家の落人らにより、800年もの昔から保存食として作られ、食べられてきたといわれているのがこの豆酩(とうべい)、豆腐の味噌漬け(豆腐のもろみ漬け)だ。水を切った豆腐を味噌(もしくはもろみ味噌)に漬け込み、発酵、熟成させることにより、芳醇でコクがありながらもまろみもある、えもいわれぬ味わいの食べ物となる。それは例えるならば、チーズから動物性の臭みを一切取り除き、植物性タンパク質が発酵したものならではの品のある香りを付加した「旨みの塊」のようなもの。ねっとりじっとりしていながらも、いやらしさもしつこさも無い。あなたがもし酒飲みならば、想像しただけで、これが酒のつまみにぴったりであるのがすぐにわかるだろう。そして、それがもし極上のものならば、ひとなめした途端に、うーむと唸って言葉が出ないだろう。そこには自己顕示や自己陶酔はない。憂愁も沈鬱もない。とげとげしさも押し付けがましさもなく、ただただコクと深い旨みを湛えた柔らかくて奥ゆかしい存在が静かにある。そう、それは言わば「発酵」の素晴らしさを具現化し、さらにそれをぎゅっと濃縮して、ふわりと手を開いたようなもの。黙っていても隠していても思わず旨みがじわりと滲み出てしまう、そんな味わいなのだ。

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いきなり団子(いきなりだご)

いきなり団子は、小豆の餡とさつまいもを小麦粉を練って作った生地でくるみ蒸して作る熊本の伝統的な郷土の菓子。地元の言葉では「いきなりだご」とも呼ばれる。サツマイモがごろんと入るために甘さ控えめで素朴な味わいの菓子で、餡があれば短時間でささっと「いきなり」作ることが出来ることから、その名前がついたと言われている(名前の由来には諸説あり)。一般家庭で普通に作られるほか、熊本市内の和菓子店でも様々な味や形のものを売っている。もっちりほっこりとしていて、かつ甘すぎないので、気がつくと幾つも平らげてしまうようなそんな和菓子だ。

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Japan Web Magazine 編集部

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