高森峠から見る風景
公開日: 2015年10月23日 | 最終更新日 2020年4月16日
室町時代から、薩摩島津氏に攻め落とされる1586年(天正14年)まで、阿蘇の一帯を治めていた南郷七家の筆頭・高森氏。肥後、豊後、日向の国境の要衝に構えた城は、阿蘇二十四城の1つとされ、勇猛果敢にして最強ともいわれた島津軍の猛攻にも数度に渡って耐えたという。
その高森氏の名を冠した熊本県阿蘇郡高森町にある高森峠は、通称「九十九曲がり」と呼ばれる幾つものヘアピンカーブが連続するドライビングスポット。麓から山頂に至るまでのおよそ4キロメートルに渡って植えられた約6000本もの桜が咲き誇る春先には、吉野さながらの桜色の美しい風景となり、沢山の人が訪れる。県内外からやってきた車が列をなす、熊本でも指折りのこの桜の名所は、桜のシーズンの時以外は訪れる価値がないかというと、さにあらず。峠を上りきった場所からは、絶好の眺めを楽しむことができるのだ。
写真は夕暮れの高森峠、山頂付近からの風景。南阿蘇平野と南阿蘇村の家々、その向こうに聳える阿蘇五岳の山々が、秋の夕日に照らされて黄金色に輝く。豊かに実った稲穂のきらめき。太陽光線を反射して光を放つビニールハウス。桜色の春の風景とはまた一味違う、秋ならではの金色の絶景が風に揺れる。