
岩手県を中心とした東北地方と茨城県に今も残るのが曲がり家(曲がり屋とも表記される)だ。人と馬が一つ屋根の下に暮らす構造になっていて、人が生活する母屋(もや)と馬が生活する馬屋(厩・・・まや)がLの字状に繋がって一軒の家になっていることから「まがりや」と呼ばれる。
遠野地方にある南部曲がり家・千葉家は現在も人が生活する築200年の曲がり家だ。現在は馬は居ないが、往時には馬20頭、使用人15人を抱える大所帯であった。母屋部分の広さはおよそ120坪、馬屋部分は40坪。一般的に曲がり家は、馬屋の部分が日当たりのよい南側に面していることが多く、馬の特産地でありながらも寒い東北地方において、人々が馬を大切に育てていたことを窺い知ることが出来る。
道や田畑を見下ろす一段高い高台に、重厚な石垣を組んで建てられた堂々たる曲がり家。東北の曲がり家は、18世紀頃に藩(盛岡藩や八戸藩など)に奨励されて建てられたといわれ、それぞれの土地の名士や権力者が家の主であった。千葉家も家から見渡す田畑をすべて所有していたという。
南部曲り家 千葉家 DATA