光のある風景
公開日: 2009年9月12日 | 最終更新日 2015年5月8日
光と日本の風景
光が織り成す日本各地の美しい景色の数々
ヤコブの梯子・天使の階段
ふと空を見上げたら雲間から漏れてきた光がすうっと降りてきて、それはまるで天へと続く梯子のようで、そのあまりの美しさにしばらくぼーっと見入ってしまった、子供の頃にそんな経験をしたことはないだろうか。ヨーロッパではジェイコブズ・ラダー(ヤコブの梯子)と呼ばれる現象のその呼び名は、聖書の中に出てくるヤコブの見た夢の話に由来している。天使が天から上り下りする、その為の梯子。17世紀のオランダの画家、レンブラントが宗教的神々しさ、荘厳さを出すために好んでこの光線を描いたので、「レンブラント光線」とも呼ばれる。
気象現象としては「薄明光線」といわれるこの現象は、科学的には「チンダル現象」の一種として説明されている。すなわち、「主に、光の波長程度以上の大きさの球形の粒子によって光が散乱現象を起こす「ミー散乱」によって太陽光が散乱し通路のように見える」こと。だという。
仮に子供の頃にその説明を聞いたとしても、「ふーん」と上の空で頷いて、またぼーっと空を見上げるに違いない。科学的な説明がどうあれ、子供にとって一番大事なのは目の前に繰り広げられる美しく幻想的な現象。荘厳で神秘的な美しさにただただひきつけられて空を見上げ続ける。
そしてどうやら、人のそのような性癖は大人になったからといって、容易に変わるものではないようだ。三つ子の魂なんとやら。大人になっても、天使の梯子を見つけると思わず空を眺め続けてしまう、という人も少なくないに違いない。
というわけで、「天使の階段」 – 薄明光線のある風景をはじめ、通称「裏後光」(裏御光)とも呼ばれる反薄明光線(太陽が雲に隠れている時に、雲の隙間や端から光が漏れ出でて、太陽と反対の方向に放射状に光を放つ現象)のある風景など、光のある風景をお届けしよう。JWMセレクション「光のある風景」。
太陽と雲・朝と昼と夕 – 色々な光のある風景
朝まだき
朝日・朝焼け
夜を後ろに置いたまま、一日はゆっくりとあけてゆく。天空はるかに光鳴く。
夕日・夕焼け
太陽はゆっくりと沈み、一日は暮れてゆく。羊飼いは微笑みを浮かべ、鼻歌を歌いながら家路に着く。好天の徴し。好転の兆し。全天光(ひかり)夜を浚う。
残照
光の痕跡
残日の舞
夕星(ゆうずつ)一際西天に輝く
闇暮れ行けば 明日遠からじ
やがて光明東より来る
何をか思い煩わん