北海道や青森では、おおみそかにお節料理やお寿司にすきやきなどのご馳走を食べる!?
公開日: 2021年12月29日 | 最終更新日 2024年2月11日
北海道、青森のおおみそかの料理・食べ物
狭いようで広い日本、地域によって風習や習慣は大きく違うもの。各地を飛び回るビジネスマンや旅好きの人はもちろん、そうでない人でも、テレビやSNSなどで沢山の情報が飛び交っているので、地域によって風習や習慣、慣習などに色々とバリエーションがあることを知っている人も多いでしょう。日常的なことから、冠婚葬祭などの特別なことまで、地域や場所により実に様々な違いがあり、「へー」と思わず感心してしまうようなこと、「ふーん」と納得してしまう様なこと、「知らなかった」と少しびっくりしてしまうことから、ときには「うそ!!??ほんとに!!??」と驚愕してしまうことまで、色々な風習、習慣、慣習があります。
かつてはその地域にいれば、そこで行われることはごく当たり前であり、それが珍しい事、驚くようなことであることさえ気付かずに人々は暮らしてきましたが、今や個人が自由に情報を発信できる時代、テレビや雑誌などで取り上げられないような些細なことも含め色々な情報が飛び交っているので、色々な意味で多様な文化があることに気が付きやすい時代なのかもしれませんね。
初めて年末年始を関西地方で過ごした際、正月のお飾りが随分と長い事、飾られているのを知って「へー」と思ったことがあります。筆者は関東在住ですが、関東では正月飾りは7日に片づけてしまう印象でしたが(関東でも場所によって違いがあるかもしれません)、聞くところによると関西以西の地域では15日まで飾っている地域が多いとのこと。確かに関西のみならず、中国や四国地方などでも正月飾りが10日過ぎても飾られていた気がします。
年末年始の話で言うと、筆者のルーツは北海道なのですが、北海道や青森などでは正月は大晦日に祝う地域が多いのです。「正月を大晦日に祝う」というと語弊があるので、もう少し正確に言うと正月を迎える前の12月31日の大晦日(おおみそか)におせち(お節料理)・年越し料理やオードブル、寿司にすき焼きなどのご馳走を食べ、正月の元旦にはゆっくりのんびりと過ごします。諸説ありますが、これらの地域では「正月」よりも「年越し」を一年の節目、一番大切な行事とする傾向があったようで、ゆえに大晦日である12月31日に祝い膳、ご馳走、トシトリ(年越しの夕食)を用意し皆で祝った名残なのだそうです。
昨今では伝統的なお節料理、年越し料理を自宅で手作りする家庭も減ってきて、ネットで購入したり、お店で買ってくることも増えているようですが、一方でくじら汁・くじな汁(鯨汁)などの伝統料理を食べる風習が残っている地域も少なくありません。参考までに青森では伝統的に、年越し料理、お節料理として大晦日に、煮しめやなます(煮なます・切りなます)、子あえ、焼き物(新巻、タラ)、くじら汁、けの汁、刺身(タコなど)、煮豆、昆布巻、数の子などを家族で楽しみます。北海道や青森以外にも、他の東北諸県や、新潟県、山口県、高知県などでも大晦日にご馳走を食べる習慣が残っている地域がある様です。