圧倒的に清らかな美しさ 雪の岩木山神社の風景 冬の岩木山神社 初詣の風景

元旦の夜の岩木山神社

雪国の人々にとっては毎年のように目にする当たり前の風景でも、雪が身近ではない人間にとっては、それはとても新鮮な風景。特に、都市部の初詣時期の神社のように人でごった返していない、比較的静かな夕暮れから夜に訪れる雪深い神社の圧倒的な存在感と、その中に佇むという非日常で崇高なる時間。「清浄と静謐はここに極まれり」と思えるような、清らかで静かな時間がゆっくりと流れていく。特別な瞬間は特別な場所にあった。青森県弘前市の岩木山神社の雪の初詣の風景。

”震える”ほどに美しい雪の夜の岩木山神社

冬でもほとんど雪の降らない場所で生まれ育った人間にとっては、「雪」というのは降ってくるだけで少しテンションが上がってしまう存在です。雪国の人にとっては、「好きでも嫌いでもなく、冬になれば当たり前にあるもの」であったり、人によっては「ただただ面倒なだけ」の存在であったりするのかもしれません。実際、雪国で生まれ育った友人に聞くと、「雪」=「積もり始めたら雪かきをしなくてはいけない」=「面倒」という認識のようで・・・。「雪の風景って綺麗!」なんて勝手に興奮しているのは、雪が身近ではない人間だけかもしれませんね。とはいえ、やっぱり雪に包まれた景色は美しいと思ってしまう・・・そんな筆者が訪れた青森県弘前市の岩木山神社の風景を今日はお届けします。

岩木山神社(いわきやまじんじゃ)はその名の通り、岩木山(いわきさん)をご神体とした神社。ご存知の方も多いかもしれませんが、日本には各地に「山」をご神体とした神社、「ご神体となっている山」があります。そう、有名な所では富士山がそうですね。静岡県富士宮市にある「富士山本宮浅間大社」や、山梨県富士吉田市にある「北口本宮冨士浅間神社」をはじめ、全国に1300以上あるといわれる「浅間神社」のご神体は富士山です。そのほか、三輪山をご神体とする大神神社(奈良)であったり、出羽三山(月山、羽黒山、湯殿山)をご神体とする出羽三山神社(山形)=(月山神社(がっさんじんじゃ)、出羽神社(いではじんじゃ)、湯殿山神社(ゆどのさんじんじゃ))、石鎚山をご神体とする石鎚神社(愛媛)など、「山」をご神体、信仰の対象としている地域(神社)は幾つもあります。

本日ご紹介する岩木山神社もそんな「山」をご神体とする神社で、古くから地元の人々に親しまれ、崇められてきた「岩木山(標高1625メートル)」を祀っている神社です。

岩木山は、日本百名山の一つにも選ばれている青森県最高峰の山で、円錐形の成層火山の美しい見た目で「津軽富士」とも呼ばれる山。古くから山岳信仰の対象となり、地元の人々に崇敬され親しまれてきました。山頂には岩木山神社の奥宮があり、例年旧暦の8月1日に行われる農作祈願の例大祭「お山参詣」の際には、地元の人々が白装束に鉢巻をしてのぼり(幟)や御幣を携え、五穀豊穣や無病息災、家内安全などを祈願しながら、集団で山頂まで登り参詣します。

以前、真夏に岩木山に登頂した経験があり、その日は時折雲が出て視界が遮られるような天候だったこともあり、頂上の奥宮付近は幻想的で神秘的な雰囲気に包まれていました。

その岩木山に登った際に岩木山神社にもお参りしましたが、緑の濃い、自然豊かで清々しい境内(多くの神社がそうですが)で、印象的な佇まいと存在感がとても心に残っていました。

そんな岩木山神社を訪れたのは、1月1日の夕刻。雪に埋もれた冬、それもお正月に訪れた岩木山神社は、夏の印象とは大きく異なり、冷たさと寒さで文字通り身も心も引き締まる思いがする中、肺の内側まで浄化されていくような純粋で絶対的な存在感をひしひしと感じました。それは、零下何度という気温と、見渡す限り雪に覆われた圧倒的純白の気配に包まれて、ある種の「高揚感」というか、気持ちがうわずったような状態であったのかもしれません。でも、それを差し引いても、どこまでも透明で、どこまでも清らかな「凛」とした品のある美しさは、心の奥の奥にまですーっと入ってくるものでした。

百聞は一見にしかず。雪の岩木山神社の静謐なる美しさをご覧ください。機会があれば、是非とも実際に参詣してみて下さいね。

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