天橋立

天橋立

旅今昔

旅の好きな人たちにとって、今はいい時代だ。交通網は整備され、宿泊施設も豊富。ガイドブックも充実しているし、パソコンやスマートフォンで他の人々の口コミ情報や感想が簡単にチェック出来る。交通機関のスピードアップによって目的地への所要時間も圧倒的に短縮された。誰もが思い立った時に、好きな場所へ行ける。旅を手軽に楽しむことが出来るのだ。

しかし、昔の人々にとって旅というものは今ほど手軽なものではなかった。非日常であった。どこかへ行くための所要時間にしても今とは比較にならない。例えば、新幹線を使えば二時間半で行けてしまう東京大阪間も、(ご年配の方は覚えていらっしゃることと思うが、)ついぞ50年前には列車で8時間かかっていたのだ。その差は歴然としている。

  

一般の人々が旅を楽しむようになったのは江戸時代に入ってからといわれる。それでも一生に一度も旅に出かけない人もざらに居ただろう。旅も、観光メインの旅ではなく、お伊勢参りなどの、参拝のついでに少し観光するというような「~詣」「~参り」と呼ばれるような旅が中心だった。街道が整備され、旅籠も沢山出来たとはいえ、山賊や海賊、台風や大水など、出かけること自体が時に命がけであるようなもの、それが旅だったに違いない。そんな時代の旅人は、行った先々、訪れた場所場所で、まさに徒歩や籠や馬という「自然のスピード」で様々な物を堪能したことだろう。素晴らしい景色や、荒々しく力強い自然や、巨大で立派な建造物。旅の全ての行程に時間がかかった分、今よりもわくわくどきどき感も大きかったような気がするのだ。

そんな江戸の頃より、人々は自分の訪れた地の素晴らしさをまだその地を知らぬ人々に語って聞かせた。その優美さを、その典雅さを、その雄々しさを、その絶大さを。そんな中でも、より多くの人々を感動させ、感心させた場所が、名所旧跡となってさらに人々の話題に上り、関心をひく。そして、当の名所旧跡と呼ばれるようになった地の人々も、大名から駕籠かきまで一体となって、その地を守ろうと環境保全運動までしていたという。

日本三景

そんな数ある観光地の中でも、噂が噂を呼び、人が人を呼び、その名声が高まったのが日本三景といわれる「松島」「厳島(宮島)」そしてここ「天橋立」だ。まるで天を翔ける竜のように対岸へと続く砂嘴を山の上からみた風景は、人呼んで「飛竜観」と讃えられ、ここを訪れた人々を感動させてきたのだ。

天橋立天橋立

天橋立名物「股のぞき」

天橋立

天橋立

江戸時代以前より随一の観光名所として名高く、「丹後の天橋立」としてその名をとどろかせて来た「天橋立」は全長約3キロ、幅(広い付け根部分で)170メートル~(狭い中ほどで)20メートルほどの砂嘴。砂嘴(さし)というのは沿岸の海流にのって漂流してきた砂が、陸地近くの流れの静かな箇所で堆積し、嘴(くちばし)形状の陸地になったもので、日本では他に北海道東部の野付半島や静岡の三保の松原、住吉浜などが有名だ。

丹後半島伊根側の天橋立北部は府中地区と呼ばれ、「股のぞき」の名所である傘松公園、丹後国一宮で元伊勢の一つでもある元伊勢籠神社、西国33ヵ所霊場28番札所である成相寺などがあり、舞鶴側の天橋立南部は文殊地区と呼ばれ、智恩寺、廻旋橋、知恵の輪灯篭、磯清水、橋立明神、岩見重太郎試し切りの岩などが点在する。

籠神社

元伊勢籠神社(このじんじゃ)

籠神社
籠神社
天橋立
真名井稲荷

天橋立天橋立
天橋立
日本三景・天橋立日本三景・天橋立
日本三景・天橋立
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日本三景・天橋立
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日本三景・天橋立
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天橋立

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Japan Web Magazine 編集部

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