福島の郷土料理

福島の郷土料理

日本で三番目の面積(約13,782平方キロ)を誇る福島県は、歴史的経緯や気候、地形などの面から見て大きく三つに分けられる。白虎隊縁の地であり豪雪地としても有名な「会津」、太平洋と阿武隈高地に挟まれた「浜通り」、阿武隈高地と奥羽山脈の間の「中通り」の三つの地域だ。明治維新以降、各地間の行き来がそれまでより容易くまた頻繁になった事により、それぞれの地域の郷土料理は入り混じり、厳密な意味での地域色(食)は多少薄まったが、それでも地域毎の歴史的な慣習や特産品の違いなどから、それぞれの地域には今もしっかりと息づきそして愛されている郷土料理があるのだ。

魅惑の福島グルメ、今回は会津地方の郷土料理を中心に、会津で古くから食べられているものから戦後に普及した新しいものまで、その魅力の一部をご紹介しよう。

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こづゆ

こづゆ(小汁)

こづゆは会津地方の郷土料理の中でも特に代表的なもので、貝柱や干ししいたけ、銀杏、キクラゲ、野菜類を入れた汁物。冠婚葬祭や宴会などには欠かせないハレの料理で、朱塗りの椀に盛られる事が多い。江戸時代後期~明治に会津藩の武家や町民のごちそうとして広まったものといわれ、海の幸と山の幸がバランスよく入ったあっさりとした味付けで、何にでも良くあう。

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しんごろう

しんごろう

音だけ聞いたら誰かの名前かと思ってしまうのが「しんごろう」。それもその筈、しんごろうという名は、この料理を考え出した「新五郎」という人物に由来している。半殺し(はんづき)にしたうるち米を竹串に刺して、「じゅうねん味噌」と呼ばれる、味噌にエゴマ(じゅうねん)、酒、砂糖を混ぜ合わせてアタリ鉢であたったものを塗り、火で炙って作る。味噌の芳ばしい香りが何ともいえない。貧しくて「もち米」を買えなかった新五郎がうるち米を潰して串に指し味噌をつけて火で炙ったのがその最初という。

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わっぱめし

わっぱめし(輪箱飯)

わっぱとは、山で働く人々や旅人が弁当を入れる為の容器として使っていた丸い形をした箱。奥会津檜枝岐のものが有名。このわっぱにご飯を入れ、季節の野菜や山菜、肉、魚などを乗せて蒸しあげたのがわっぱめしだ。新潟などにも同じスタイルの料理がある。

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にしんの山椒漬け

にしんの山椒漬

日本の内陸部ではかつて、海の物と言えばもっぱら乾物だった。中でも身欠きにしんは保存が効くこともあり、重宝されたという。会津地方には新潟の港を経由して身欠きにしんが入ってきていた。その身欠きにしんを使い、山椒の新芽と共に漬けたのが「ニシンの山椒漬」。山椒がニシンの生臭みを消すと共に、腐敗も防ぐ。先人の智慧が詰まった料理だ。山椒の香りが堪らない一品。酒にもよくあう。

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棒タラ料理

棒タラ料理(棒鱈煮)

身欠きにしんと共に重宝がられたのが、棒だらだ。棒ダラとはその名の通り、棒のようにカチカチに乾燥させたタラ。冷蔵庫もなかった時代、保存がしやすく、運搬にも便利で、北海道や東北、北陸などを中心に食べられてきたもの。雪国会津でも貴重な蛋白源の一つだった。この棒だらを使って作るのが棒だら料理。棒ダラを何日もかけて水で戻し、醤油、酒、砂糖、みりんなどを加えて、数時間かけてことことと煮る。長時間煮込んでいるので骨まで柔らかくホロホロしている。

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喜多方ラーメン

喜多方ラーメン

全国にその名を轟かす喜多方ラーメン。ラーメン好きでなくともその名を知る人は多いだろう。太目の縮れ麺に、コクがありつつも決してしつこ過ぎない味わい深いスープが絡み合う。酒どころとしても有名な喜多方の清らかな水と、醤油、そして酒、それらが出汁と見事に融合して出来上がる1杯を求めて全国からラーメンファンが足を運ぶ。

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会津ソースカツ丼

会津ソースカツ丼

会津でカツ丼といえば、福井や駒ヶ根上州などと同じくソースカツ丼の事。カツ丼を注文すると、一般的な「揚げた後、卵でとじたカツ丼」のイメージとは全然違う、「丼によそられたご飯にキャベツが敷き詰められ、その上にソースにくぐらせた(煮た)カツの乗ったカツ丼」が出てくるというわけ。店は一軒一軒がそれぞれ違った味とスタイルを持ち、見た目も味もバリエーションに富んでいるので、食べ比べてみるのも楽しい。

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馬肉料理

馬刺し

熊本、長野と並ぶ日本三大馬刺しの地が会津だ。会津では「刺身」といえば「馬刺し」を指すほどにポピュラー。会津の中でも、特に会津坂下町の特産品。会津の馬刺しは、赤みが柔らかく美味しいと評判でこの馬刺し食べたさに会津に足を運ぶ人も。一般的なニンニクやワサビ醤油ではなく、辛味噌と醤油につけて食べる食べ方が主流。

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会津の蕎麦

古くからソバどころとして知られる会津。特に桧枝岐や山都のそばは有名だ。夏も終わる頃、一面に蕎麦の花が咲いている光景をあちこちで見ることが出来る。この付近の気候はそばの生育に適しており、とれるそば粉は蕎麦を打つ際につなぎがいらないほどに上質といわれる。

「水そば」

水蕎麦

ある意味、ソバの究極の食べ方がこの水そばではないだろうか。会津の山都町の「郷土蕎麦」の一種だ。文字通り、水のみで食べるソバ。最初は、頭で判っていても、やはり目の前に運ばれるとちょっと戸惑ってしまう。器に水が張られ、ソバが泳いでいる。その上にちょんと乗せられた花が可憐で可愛らしい。しかし。それだけだ。傍にツユもなにもない。洒落ではないがこの器のみでそばには何もないのである。確かに花は可愛らしいが、ソバに水だけ??と、なってしまう。ところが。これを口に含んでみると、戸惑いは驚きへと変わる。目から鱗とでもいおうか。新鮮な衝撃といおうか。口の中にふわっと広がる芳醇で鮮烈なソバの香り。しっかりとしたソバのうまみ。出汁の味や醤油の味が全くないので、純粋にソバだけの味を味わう事が出来るのである。これはソバ好きには堪らないだろう。噛み締めるほどに、ソバから放たれた華やかな香りが鼻から抜けてゆく。話をしている暇は無い。席を離れる暇も無い。ただただ魅了されてしまうのだ。

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会津のソバ畑

川魚料理

海の無い会津では、代わりにアユ、イワナ、ハヤ(ウグイ)、ヤマメ、コイなどの淡水魚が昔からよく食されてきた。かつては焼いたり甘露煮にして食べるのが主だったが、現在ではフライなども一般的だ。

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コイのうま煮

   

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