さざえ堂 会津若松の名建築
公開日: 2008年5月21日 | 最終更新日 2023年6月7日
六角形の不思議なお堂
福島県会津若松市の白虎隊の眠る飯盛山の中腹に「円通三匝堂」(えんつうさんそうどう)というお堂があります。建物全体がねじれた様な、一風変わった外観が「さざえ」の様にも見えるということから通称「さざえ堂」と呼ばれている不思議な建物です。
この「さざえ堂」は、かつてこの地にあった正宗寺の仏堂として1796年(寛政8年)に建立されました、高さ16.5メートルの六角三層のお堂です。
外見からは判りにくいのですが内部は二重螺旋構造のスロープになっていて、入り口から入ると右回りに斜路を上り、最上階から今度は左回りに斜路を下る、という構造になっています。建立当時はスロープに沿って西国三十三観音像が安置され、内部を巡るだけで三十三観音参りが出来るという仕組みになっていました。
実際に西国に出かけて三十三観音巡りをする事など、一般の民衆にとっては夢のまた夢であった時代、手軽に西国三十三観音巡りが出来るというので人々にとても人気があったのだといいます。正式名称である「円通三匝堂」の「三匝」とは三回めぐるという意で、最上階まで一回転半、最上部から一回転半、あわせて三回転しながら、観音様をお参りするということになります。参拝者が一方通行で進むことにより、すれ違ったり込み合ったりすることなく、ぐるりと回廊を巡り、出口にたどり着く時には三十三観音参りが成されるという、実に画期的で合理的な構造のお堂なのです。
明治初期の廃仏毀釈で正宗寺は廃寺となり、三十三観音も取り外されてしまったのですが、建築史上でも珍しい構造であるお堂は残りました。現在、世界的にも評価が高く1995年には国の重要文化財に指定されています。
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さざえ堂 DATA
- 場所: 福島県会津若松市一箕町八幡滝沢155
- 交通(公共交通機関で): JR磐越西線「会津若松駅」からまちなか周遊バス「あかべぇ」または「ハイカラさん」で「飯盛山下」~徒歩6分
- 交通(車で): 磐越自動車道・会津若松ICから約15分
- 駐車場: あり
- 期間: 通年
- 時間: 夏期8:15~日没(4月~11月) 冬期9:00~16:00(12月~3月)
- 休み: 無休
- 料金: 大人400円 大学・高校生 300円 小・中学生 200円
- 問い合わせ: 0242-22-3163
さざえ堂