
つがねの滝(長崎県)
日本にはおよそ2500もの滝があるといわれている。一口に滝といっても、怒涛の勢いで水がなだれ落ちてくる迫力ある滝、白い糸のようにさらさらと流れ落ち優雅で美しい装いを見せる滝、ごつごつとした岩場の素朴で野趣に富んだ滝、そして雨の後にだけ現れる幻の滝まで実に様々な滝がある。見た目の美しさや迫力もさることながら、滝つぼに近づく程に充満しているといわれるマイナスイオンの心地よさに、滝のファンになった方も多いだろう。車である程度近づける滝もあるが、その多くは駐車場やバス停から少し歩いた場所にある。滝によっては山の中に分け入らないと見られないものもある。しかし、そうして苦労してようやくたどり着き、滝の姿を目にした時の感動もまた大きい。「驚き」と「癒し」と言う普通なら少し矛盾するものが同居しているのが滝の魅力だ。夏の暑い最中でも涼しく、冬には冬の感動がある。晴れの日は勿論、曇りや雨でも滝はその魅力を減じることはない。むしろ雨の日の方が魅力が増すくらいだ。次の休みにでも、感動と癒しを求めて、「滝」に会いに出かけてみてはいかがだろうか。
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屋久島のモッチョム岳の麓にある落差60メートルの滝。鯛之川によってV字に削られた谷、荒々しい花崗岩の岩盤を水が流れ落ちる景観は実に雄大で豪壮だ。左側には高さ200メートル幅400メートルといわれる一枚岩があり、人が手を伸ばした長さを昔の尺度では「一尋」といい、この岩が千人が手を広げたほどの幅があることから「千尋の滝」と名づけられたといわれる。
名曲「天城越え」の歌詞にも出てくる「浄蓮の滝」は伊豆半島は湯ヶ島にある落差25メートル、幅7メートルの滝。滝の付近にあったお寺「浄蓮寺」から名づけられたと言われる。滝つぼのすぐそば川に沿うようにして、圧倒される広さの山葵田
がある。清流でしか育たないわさびが青々と生育している。水がいかに清らかであるかの証拠だ。
日本三名瀑の一つ「那智滝」は和歌山県勝浦にある落差133メートル幅13メートルの滝。那智の滝は飛瀧神社のご神体で、滝上には注連縄が張られている。辺り一帯は古くより山岳信仰の地で、数多くある滝は滝篭り修行の場所となってきた。飛瀧神社を上がった所に青岸渡寺、その上に熊野那智大社がある。
「つがねの滝」は長崎県西彼杵郡大瀬戸町の雪浦川の支流河通川にある滝。つがねとは付近に棲息するカニ(ドロガ二、モクズガニ)の事。産卵に来たつがねが次々に落ちる様から「つがね落としの滝」と言われる。落差はそれほどないが滑らかに流れるように滑り落ちる様が美しい滝だ。
日本三名瀑の一つ「袋田の滝」は落差120メートル幅73メートルを誇る茨城県大子町にある滝。四季折々美しい姿を見せ、それぞれの季節合わせて四度来ないとこの滝の本当の魅力はわからないことから、別名「四度の滝」と呼ばれるほど。(四段に分かれているからとの説もある。)特に、秋の紅葉の時期、付近の山々が黄金に染まる中、水が滑り落ちていく様は心に残る美しさだ。
「吹割の滝」は群馬県沼田市、片品川支流の片品渓谷にある落差7メートル、幅30メートルの滝。広い川底が突如えぐれるように割れていて、そこに水が流れ落ちていくという印象的な景観を持つ滝だ。別名「東洋のナイアガラ」とも呼ばれている滝は、遊歩道に沿って山道を登り上から眺めることも出来る。
日本三名瀑の一つ「華厳の滝」は栃木県日光市にある落差97メートル幅7メートルの滝。そばにある中禅寺湖から流れてきた水が一気に流れ落ちていく豪快な様子は多くの人をひきつける。冬になると厳しい寒さによって滝は凍りつき、その姿を一変させる。青白い氷の連なりが崖肌に聳え、きりりとした透明な美しさをみせるのだ。
途中で二つに分かれて流れ落ちる様から、別名「双美の滝」とも呼ばれている「オシンコシンの滝」は北海道知床半島にある落差80メートル幅30メートルの滝だ。海岸すぐのところを流れ落ちる珍しい滝で、国道沿い駐車場からも歩いて30秒のところにあるので多くの観光客が集まる。手の届きそうなほど間近な距離で見ることが出来る滝の名前は「蝦夷松が群生するところ」という意味のアイヌ語に由来する。
駐車場に車を止め、歩くこと1分、木立を抜けて目に飛び込んでくるのは、実に平和で美しい光景だ。左手にさらさらと清流が流れ、光がきらきらと舞っている。目を奥にやると、高さ5メートルほどの壁のようになった岩の上部と途中の隙間から無数の美しい白糸のような水が流れ落ちている。まさに妖精でも飛んでいそうな程、穏やかで優しい情景なのだ。源頼朝が巻き狩りをした際に陣を張ったことから名づけられたという「陣馬の滝」は富士山の湧き水を源流とする五斗目木川(ごとめき)にかかる滝。
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世界遺産白神山地の緩衝地域(世界遺産を守るために設けられたエリア)の奥ほどにある暗門渓谷にある三つの滝の総称でそれぞれ落差26m、37メートル、42メートルの美しい自然に囲まれた優美な滝だ。駐車場から一番奥の第一の滝まで片道一時間半(山道になれた人なら1時間くらい)程かかるが、それほどきつい道のりではないので、ゆっくりと景色や水の流れを愉しみながら歩くとよいだろう。ひらひらと舞う蝶や綺麗な色をした小さな虫が葉に止まっているのを観察するのも楽しい。
長野県の秘湯「奥飛騨温泉郷」から車で五分ほど、駐車場から歩いて15分ほどのところにある「平湯大滝」は落差64メートル幅6メートルの、水しぶきを上げながら轟々と流れ落ちる迫力ある滝だ。武田信玄の家臣、山県昌景の軍勢が飛騨攻めの際、この付近で疲労と火山ガスの為に往生していたところ、白猿に教えられて見つけた温泉(平湯温泉)によって疲れを癒し、助かったといわれる伝説があり、この滝の名前もその「平湯温泉」にちなんでいる。
東京都の最西部桧原村の山奥にある「払沢の滝(ほっさわのたき)」は落差60メートルの滝だ。新宿や渋谷と同じ東京とは思えないほど豊かな自然に囲まれた美しい滝の周囲にはマイナスイオンが充満していて心地よい空気が流れている。夏の暑い日に訪れると、その気持ちよさが一層感じられるだろう。
大川と書いて「おおこ」と読むこの滝は屋久島にある落差88メートルの滝だ。比較的海岸線に近いので訪れやすいが、周囲は山と緑に囲まれていて、気持ちいい。滝の正面が開けていて、その岩場に座って滝全体を眺めることが出来る。清浄な空気に包まれながら、水の流れを眺めていると時間の経つのを忘れてしまう。岩肌に沿いながら後から後から流れ来る水をしばらくぼんやりと眺めていると、何かが判りそうな気さえしてくるのだ。
「銚子大滝」は雲井の滝や阿修羅の流れ、玉簾の滝、白絹の滝などの数々の美しい景観で有名な奥入瀬渓流沿いにある落差7メートル幅20メートルほどの美しい滝。この滝の存在ゆえに昔は十和田湖に魚がいなかったといわれ、確かに魚から見たら巨大な壁がそそり立っているようにも見えるであろう段差を豊富な水が流れ落ちる様は壮観。
日本の滝 DATA
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