江戸優り 佐原の大祭 秋祭り 佐原の秋を彩る祭り
公開日: 2023年10月17日 | 最終更新日 2023年10月17日
伝統的な町並みの残る佐原の秋を彩る祭り
江戸時代の雰囲気が今も残る伝統的な古い町並み「小野川沿いの町並み」(国選定重要伝統的建造物群保存地区)や、近くに利根川が流れる「水郷」の町としても知られる千葉県香取市の佐原。江戸近郊(東京近郊)の町としては埼玉県の川越と共に、今も町のそこかしこに歴史的・文化的な面影が漂う場所であり、往時には江戸に負けぬほどに栄えた「小江戸」として大いに賑わいを見せた場所です。
「江戸の町」が戊辰戦争、明治維新、関東大震災、そして太平洋戦争で大きなダメージを受け、かつ再建され、さらに開発の波を受けて大きく変貌した(変貌してしまった)のに対し、時代の波に揉まれ大なり小なり変遷しながらも、町の人々の気概や意識もあって現在に至るまで随所に美しい景観が残されている町です。
そんな佐原では、江戸の時代より300年以上に渡って続く伝統的な祭りが夏と秋に行われます。それが「佐原の大祭」。河畔に伝統的な建物が多く残る「小野川」を境に、夏には東側の本宿で「夏祭り」が、秋には西側の新宿で「秋祭り」が行われるのです。
日本三大囃子の一つに数えられる「佐原囃子」が鳴り響き、巨大な人形が飾られ精緻な彫刻で彩られた豪華絢爛な山車「大人形山車」14台が町内を練り歩くさまは圧巻で、その華々しさや雅な雰囲気、優しい空気感は素晴らしく、「佐原の祭り」は、埼玉県川越市の「川越祭り」、茨城県石岡市の「石岡のお祭り」と並んで「関東三大山車祭り」に数えられていると共に、国の重要無形民俗文化財、ユネスコ無形文化遺産にも選ばれているのです。
今日はそんな佐原の秋に行われた祭り「佐原の大祭 秋祭り」(諏訪神社秋祭り)の華やかで優しく、雅で美しい光景をお届けします。
諏訪神社
佐原の大祭 秋祭り まとめ
小野川にかかる橋の上で、日が暮れて柔らかなオレンジ色の街灯が美しい伝統的な町並みを一人ぼんやり眺めながら、その得も言われぬ美しさを堪能している時、そのすぐそばを通り過ぎていく山車を横目に「本当に穏やかで平和なお祭りだねぇ」としみじみと感嘆の言葉を漏らしていた方がいましたが、まさにその方の言葉通り、実に穏やかで平和で美しいお祭りでした。
人形の乗った山車の美しさ、飾りや彫刻の美しさももちろんですが、町並みの美しさ、昔ながらの建物の美しさが相まって、祭り全体、町全体がとても素敵な雰囲気に満ちていたのです。祭りといえば、どこの祭りでも10代~20代前半の若者が騒いだり、羽目を外したり、時には暴走したりというのも見受けられますし、良し悪しは別としてその熱量、迫力、発散のパワーも含めた「力」も祭りの醍醐味の一つでもあるわけですが、この佐原の祭りでは(当然騒いで羽目を外す人が全くいなかったわけではないのでしょうが)、若者も含め一人一人の意識が異なるのか、祭りに参加している老若男女すべての人にどこか品があって、その所作、顔つきまで美しく、それが祭り全体に反映されているような気さえしたのでした。数時間以上にわたって滞在し間近で体感した感想として、一切のネガティブな感情が沸き起こることなく、ただただその美しさと素晴らしさに感動したお祭りでした。
佐原の大祭 秋祭り 詳細データ
佐原の大祭 秋祭り(さわらのたいさい・あきまつり) DATA
- 場所: 千葉県香取市佐原市 佐原駅と小野川の間のエリア
- 交通(公共交通機関で): JR佐原駅から徒歩
- 交通(車で): 東関東自動車道佐原香取ICから約10分。大栄ICから約20分。
- 駐車場: あり。利根川河川敷臨時駐車場 1,000台(無料)。駐車場と町内を結ぶ有料バスや有料シャトル舟あり
- 期間: 例年10月の第2土曜日を中心とする金・土・日曜日の3日間
- 時間: 午前10時~午後10時ころまで
- 料金: 観覧無料
- 問い合わせ: 商工観光課 電話:0478-50-1212 水郷佐原観光協会 電話:0478-52-6675