ニホンザル
青森県鯵ヶ沢のほど近く、五能線沿いの道をのんびりと走っていると、ふと線路のそばで何かが動いているのが目に入った。路肩に車を止め、眺めるとそれは数頭の猿。寒風吹きすさぶ中、薄茶色のもこもことした姿で、線路の上で遊んだり、何かをほじくったりしている。そうして、時折何かを思案するように遠くを見つめ、じっと動かなくなる。しばし、物思いにふけった後、また動き出す、そんなことを繰り返していた。
日本各地に生息するニホンザル。山間の道を車で走っていると見かけることもある日本固有の猿だが、その分布域の北限は青森県。他の獣と比較して人間に近いその姿は、古来、山神の使者とされたり、山神そのものとされたという。