ナナホシキンカメムシ
発する強烈な匂いから「クサムシ」「屁こき虫」などといわれる上に、稲や野菜、果物などにつくことから害虫扱いされる虫「カメムシ」。
子供の頃、緑色や茶色をした角ばった形のカメムシを捕まえては、わざわざその匂いを嗅いで悶えて遊んだりした経験のある方もいるだろう。大人になってからは、「カメムシ」と聞けば、ただただ忌避対象・駆除対象の昆虫としか思わないかもしれない。
ご存じのようにその匂いは大変強いもので、意図せずに触れてしまったが最後、しばらく匂いが手について取れないもの。あの匂いは彼ら自身にとっても有害で、袋や缶の中に入れて、つつくなどして匂いを発生させた後、袋や缶の口を閉じておくと、死んでしまうこともあるという。
そんなカメムシだが、自然界は面白い。緑色や茶色のカメムシのみならず、写真のような玉虫色の美しいカメムシも存在するのだ。その名はキンカメムシ。
国内では主に南西諸島、沖縄島、石垣島、南大東島、西表島などに生息している。光の当たり具合によって緑や青、黄色など色とりどりに光り輝くその艶やかな姿は、カメムシと聞いて大方の人が思い浮かべる姿とはかけ離れたもの。写真のものは七つの星があるので、ナナホシキンカメムシと呼ばれている。(撮影地:沖縄)