みたままつり
公開日: 2011年7月14日 | 最終更新日 2019年6月5日
光の参道
一時(いちどき)にこれほどの数の提灯を目にする機会はそうはないだろう。人によっては、提灯を使う祭りとして有名な秋田の竿燈祭りを想起するかもしれない。いや、数だけでいったらこちらのほうが多いだろうか。献灯(みあかし)と呼ばれるこの提灯は人々から奉納されたもので、表面には奉納した企業や個人の名前が書いてある。その総数は大小合わせて約三万灯。その膨大な数の提灯が壁の様に参道の両側を埋め尽くしている。そして、その下には、焼きそばに金魚すくい、大判焼き、お好み焼き、スイカにアンズ飴、イカ焼きといった様々な屋台が立ち並ぶ。本殿に向う人、参拝を終えて家路につく人、屋台に向う人。人々は思い思いに歩き、立ち止まり、覗き込み、列をなす。
まだ外も明るい時間から灯の入れられる「提灯の壁」がその真価を発揮するのはあたりが暗くなってから。昼間のうだるような暑さが、ようやく緩み始める気がする日没後、空が濃い青色から闇へとその色を変えていくにつれ、次第に提灯は輝きを増し、光に満たされた参道は際立っていく。
みたままつり
毎年七月に靖国神社で行われる「みたままつり」。先祖の霊を祀り供養する「お盆」の風習に因み、昭和22年に始まったもので、期間中におよそ30万人もの人々が訪れる東京の夏の風物詩の一つだ。境内では日本舞踊や琵琶、津軽三味線演奏、浪曲、民謡、かっぽれなどの日本の伝統芸能に、古武術の「形」なども披露される。
第二鳥居の奥にある神門と七夕飾り。神門は昭和9年(1934)に建てられたもので、中央の扉には直径約1.5メートルの菊花の紋章が取り付けられている。
参道の屋台
祭りのそぞろ歩きの楽しみの一つが屋台の冷やかし、食べ歩き。用意された席で座って食べる事も出来る。総数二百軒ともいわれる屋台が文字通り軒を連ね、魅惑的な香りと色と音で人々を惹きつける。今や見かけることもほとんどなくなった見世物小屋や、手作り感溢れるお化け屋敷なども。
大村益次郎の銅像の前に組まれたやぐらとその周囲で踊られる「盆踊り」。飛び入り参加も可能で、やぐら周辺で思い思いに踊る人たちも多い。
Japan web magazine’s recommend
みたままつり DATA
- 場所: 東京都千代田区九段北3-1-1
- 交通(公共交通機関で):
- JR:中央線/総武線各駅停車「飯田橋駅(西口)」、「市ヶ谷駅」より徒歩10分
- 地下鉄:東西線/半蔵門線/都営新宿線「九段下駅(出口1)」より徒歩5分
- 有楽町線/南北線/都営新宿線「市ヶ谷駅(A4出口)」より徒歩10分
- 東西線/有楽町線/南北線「飯田橋駅(A2出口、A5出口)」より徒歩10分
- バス:九段下~高田馬場系統「九段上停留所」より徒歩1分
- 交通(車で): 首都高代官町出口から400mほど直進、「竹橋」交差点左折、道なり。「九段下」交差点左折して200m。その他西神田出口、飯田橋出口。
- 駐車場: あり
- 期間: 7月13日~7月16日
- 時間: 昇殿参拝9:00~20:00 / 社頭での参拝6:00~21:30(例年より30分早い) / 遊就館の拝観(例年より1時間早く閉館)9:00~20:00(最終入館30分前) / 献灯(みあかし)の点灯時間 (例年より短縮)18:00~21:30
- 問い合わせ: 03-3261-8326(社務所)
- 公式サイト: みたままつり
みたままつり
+-で地図を拡大縮小