築地波除神社
公開日: 2008年2月12日 | 最終更新日 2023年9月28日
世界の魚市場「Tsukiji 築地」の守り神
「波除神社たぁ、なんと江戸っ子らしい粋で簡潔ななめぇ(名前)じゃねえかぃ。江戸の始めは海だった築地一帯を埋め立てる工事は難航したってらしいや。浚渫船(しゅんせつせん)とか大型工作機械なんてねぇ時代だもんな。無理もねぇ。材木なんかで枠を作って、水をかい出し、土砂を運び、埋めてくってぇんだから。全ては人馬の力さね。ディーゼルやガソリンもねぇ。蒸気さえねぇ。湖や池と違って、海の水ってぇヤツは満ちたり引いたり。その上、波風まであると来たもんだ。
そんなある日、波間にきらりと光るものがある。「あれはいってぇなんでぃ」、って引き上げてみたところが、なんと稲荷さまのご神体だったと思いねぇ。こりゃ畏れ多い、ってんで早速ご神体をご祭神にして祈ったところ、ぴったりと波風が止んで、埋め立て工事がはかどった、ってぇ寸法だ。なんともありがてぇ話じゃぁねぇか。
それ以来、波除様は築地のみんなのご祭神となり、前を通る人は一礼して通り過ぎるという存在だ。築地のおいら達にとって大切な神社なのサ。皆さんも築地においでの際は、市場だけではなく、是非波除様にもお参りしてくんな。たのんだぜぃ。そしたら、おいら忙しいから失礼すらぁ」(築地某談)
かつての中央卸売市場、築地市場の一角にある「築地波除稲荷神社」は、創建1659年と伝わる築地の守り神。水難除けをはじめ、厄除け、商売繁盛、無病息災にご利益があるといわれる神社です。2009年に埋め立て350年となる築地の守り神で、近隣の人や築地で働く人はもとより、広く崇敬されてきました。厄除け天井大獅子、お歯黒獅子の他、蛤石、活魚塚、鮟鱇(あんこう)塚、海老塚、すし塚、玉子塚などが祀られています。
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築地波除稲荷神社(つきじなみよけいなりじんじゃ) DATA
- 場所: 東京都中央区築地6-20
- 交通: 東京メトロ日比谷線築地駅から徒歩約5分
- 駐車場: 近隣にコインパーキングあり
- ご利益: 水難除け、厄除け、商売繁盛、無病息災
- 問い合わせ: 03-3541-8451
築地波除神社