根津神社

公開日: 2008年3月6日 | 最終更新日 2023年5月16日

文豪も愛した神社「根津神社」

不忍通り（しのばずどおり）は東京の上野「不忍池（しのばずのいけ）」近辺を起点とし、根津、千駄木を抜け、大きくカーブしながら本駒込、千石を経、目白台方面へと続く通り。

一部区間は環状4号線の扱いながらも、本郷通りや白山通り、春日通りなどに車が流れるためか、この不忍通りは比較的空いている事が多く、車で走っていても快適な通りです。この不忍通り沿い、及び通りの近辺には、通りの起点付近の上野公園、不忍池、上野動物園を始め、六義園や護国寺などの名所旧跡、串カツの「はん亭」やたい焼きの「柳屋」からレストランやカフェ等々旧新の食べ物屋さん、小物屋、画材屋、骨董屋、雑貨屋、花屋等のショップその他が点々と連なり、知る人ぞ知る東京下町的穴場の多く散らばる道でもあります。

特に根津から千駄木、谷中にかけてのエリアは、通称「谷根千（谷中・根津・千駄木の頭文字）」として多くのメディアにも取り上げられる人気エリアで、不忍通りから脇道へ少し入るだけで、隠れ家のようなお店や歴史スポットも散在、江戸好き、下町好きには堪らないスポットになっているのです。

そんな不忍通りの根津エリア、不忍通りから二百メートルほど入ったところにあるのが、「根津権現」として古くより近隣の人々の崇敬を集めてきた「根津神社」です。

根津神社から徒歩圏内（千駄木・向丘）に住まい、きっと神社へ散策もしたであろう、森鴎外や夏目漱石などの文豪や、落語家など、数々の著名人にも愛され、その作品や噺などにもたびたび取り上げられている神社なのです。

伝承では、日本武尊が千駄木の地に創建したのが始めと伝えられている根津神社は、江戸時代に現在の地に遷ってきました。

この地は、甲府宰相、松平（徳川）綱重の山手屋敷跡で、後の徳川六代将軍家宣が生誕した土地であったといいます。五代将軍綱吉は、家宣の産土神（うぶすながみ）として千駄木にあった社をこの地に遷し、社領500石を附し、社殿を造営させました。

時は宝永三年、西暦1706年のこと。権現造りの社殿は、拝殿、本殿と幣殿からなり、拝殿前に唐門、周囲を透塀で囲み、その前に楼門が配されています。

本殿、拝殿、幣殿の他、銅造りの灯籠、唐門、西門、透塀、楼門が国指定の重要文化財となっています。

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文京つつじ祭り

つつじの名所として名高い根津神社。境内の一画につつじ苑があり毎年4月初旬から5月初旬のつつじの開花時期、中に入る事が出来ます（要・入苑料）。

期間中には境内に屋台、植木屋、甘酒屋などが立ち並び、賑やかな下町情緒漂う中、目だけではなく、舌も愉しめます。普段は静かな境内及び神社近辺も期間中は平日でも人でごった返し、休日などは谷根千下町散歩をする人々の列とあいまって、近隣の駅から根津神社に向う歩道は混雑し思うように歩けない事も。

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例大祭

毎年、9月の17日、18日に行われる例大祭。21日には例祭式が行われます。

1714年（正徳4年）、根津権現の造営を記念し、「天下祭り」、「宝永祭」として、江戸全市をあげて行われたのが最初で、同じ格式の日枝神社山王祭、神田明神の神田祭と共に江戸三大祭の一つにも数えられました。（「江戸三大祭」としては現在では「日枝神社山王祭・神田明神神田祭・富岡八幡宮深川八幡祭」が通例ですが、江戸っ子は住まう地域によって、贔屓目の祭りを入れたといいます。鳥越や三社の名も挙がります。）

家宣公奉納と伝えられる神輿三基は現存、江戸神輿の姿を今に伝えるものとして大切に守られています。

根津神社四季折々

春夏秋冬、朝昼夕夜、色々な季節と色々な時間の根津神社の風景

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