紅花ご飯
古くは「末摘花」と呼ばれた紅花は、染料や口紅の材料として、山形では江戸時代初め頃から水はけのよい最上川流域を中心にさかんに栽培されてきた。
紅花を現金で買い取った紅花商人は、それを大阪や京都に持っていって売り、その代金で様々な物資を買い入れてそれらを山形でまた売りさばいて莫大な利益を得たといわれ、行きで儲かり帰りも儲かるというので「のこぎり商法」と呼ばれた。紅花で巨万の富を得た豪商を「紅花大尽」と呼んだともいう。
染料、口紅、油の原料としてのほか、浄血作用を持つといわれる紅花は古くから漢方薬としても用いられてきた。また、昨今では、その美しい色合いが好まれ、料理にも用いられている。
紅花を育てる際に間引いた若菜は、若菜の煮物やおひたしに、干した紅花は酢飯の上に散らして紅花寿司に、粉末を練りこんでうどんに加工したりと、様々に利用されている。
写真の紅花ご飯は、お米と共に干した紅花を炊いたもの。サフランのように綺麗な薄黄色に染まったご飯は見た目にも美しく、ほのかな香りもしてとても美味なのだ。