空から見る日本 秋田 八郎潟
公開日: 2015年6月13日 | 最終更新日 2015年6月27日
新潟県、北海道に次いで、全国第三位の米の生産量を誇る秋田県。
良質な水と土壌に恵まれていることに加え、暖流である対馬海流のおかげで比較的温暖な気候であり、さらに県の東側は奥羽山脈が南北に連なって「ヤマセ(山背)=東風」をさえぎるので、時に冷害の要因にもなる冷たい風も、地元では「宝風」とも呼ばれる風となって稲作地の気温上昇と日照時間の増大になり、また、昼と夜との温度差が大きい盆地であることで、稲の育ちと実りに好適な条件を備えているからという。
とはいえ、戦前には生産量、反収(1反(約10アール)あたりの収穫高)共に秋田県は、全国的に見てもそれほど上位にいたわけではなかった。それが今日のように飛躍的に伸びたのは、県内の各農家の努力や土地の改良などによるところも大きいが、開拓、干拓が行われたという理由もある。
その最たるものが、かつて琵琶湖に次ぐ大きさを誇った湖「八郎潟」の干拓だ。戦後の食糧増産を目的に行われたもので、国土の20%以上を干拓により造りだした干拓の先進国であるオランダに協力を仰ぎ、1957年(昭和32年)から、20年の年月と約852億円の費用をかけて、約17,000ヘクタールの干拓地が造りだされた。
造成された土地には全国から集まった農家が入植して米の生産を行い、それが現在の様な全国第三位という生産量に繋がっている。
写真は、八郎潟を北東側から見下ろした様子。整然と並ぶ田んぼと中央幹線排水路、その向こうには男鹿半島の山が見えている。