人吉城跡にて
公開日: 2015年4月27日 | 最終更新日 2015年6月23日
熊本県南部、人吉藩相良氏の城下町として栄えた人吉は温泉の町としても知られ、「泉都人吉」とも呼ばれる場所。その湯量は豊富で、球磨川沿いに源泉が約70ヶ所、国の登録有形文化財にも指定されている人吉旅館をはじめ昔ながらの温泉旅館が立ち並び、町のそこかしこに公衆温泉浴場が点在する。その数、なんと20数軒に及ぶというから、その「泉都」のほどがわかるだろう。
そんな人吉で、今も一際大きな存在感を放つのが、かつての人吉藩の中心地であった人吉城跡。球磨川の南側の地に、山の斜面や崖、川を、天然の堀、天然の城壁として巧みに利用して築かれており、天守こそないものの、堅牢強固な石垣や、土塁などが残り、往時の雰囲気を今に伝えている。
時間帯によっては人もあまりおらず、球磨川沿いにあるためか、時折心地よい風も抜けて、のんびりするにはもってこいの場所。すぐそばにある元湯に入った後、鎌倉時代から続くという人吉の長い歴史に思いをはせながら、ゆっくりと涼みがてら散歩というのもいいかもしれない。
写真は、人吉城二の丸付近の様子。ずんと聳える大きな木が、この城が使われなくなってからの時の流れを表している。