宵闇の銀山温泉
銀山温泉に夜がやってきた。
山形県尾花沢市の山あいに佇む銀山温泉は、寛永年間(1624年から1645年)に開湯したという歴史ある温泉。大正から昭和の初めにかけて建てられた木造旅館が銀山川の両側に立ち並ぶ様は壮観で、大正ロマン溢れるその情景に惹かれて、国内外から多くの観光客、湯治客が訪れる。雪の降り積もる夜などは、その美しさは絶頂を極め、思わず息を飲んだまましばし呼吸を忘れる程の重層的な美を見せるが、雪のない季節でもその美しさの片鱗はそこかしこに漂っており、特に夕方から夜の早い時間にかけて、まだ明るさの残る空と木造の建物のコントラストが、柔らかな光に照らし出されて際立つ様子は、はるか昔に心の片隅を優しく撫でていった美しさに似て、川べりでぼんやりと眺めているだけで、静穏と平安が全身をゆっくりと包み込む。
勿論、銀山温泉の魅力は外から眺めたその風景だけではない。歴史ある建物内部の風合いや意匠。心づくしの食事。そしてどこまでも柔らかなお湯。ゆっくりと心は解きほぐされて、日々のストレスは、湯気と共にどこかへ消えゆく。
銀山温泉の宿
味とまごころの宿 昭和館 (山形県)(外部リンク)
銀山温泉 旅館 永澤平八 (山形県)(外部リンク)
銀山温泉 古勢起屋別館 (山形県)(外部リンク)