冷や汁
公開日: 2009年7月22日 | 最終更新日 2021年8月14日
宮崎の郷土料理
冷や汁(冷やし汁)は宮崎を代表する郷土料理の一つで、焼いてほぐしたアジやイワシ、イリコ等をすり鉢であたり、胡麻やピーナッツを加えて練ったものをヘラなどに塗って火で炙り、冷やした出汁で伸ばして、ほぐした豆腐、キュウリやネギ、シソ、ミョウガなどの薬味を入れて、温かいご飯(本来的には麦飯)にかけたもの。その発祥は鎌倉時代とも言われ、宮崎では、主に宮崎平野の農村部において、農作業の忙しい夏の暑い時期に、手軽に食べられて食欲も湧く料理として伝えられ、食べ継がれてきた。かつては宮崎でも一部地域で食べられていた冷や汁も、現在では県内のほぼ全域で見られるポピュラーなメニューとなっている。
ほぐした魚の旨みが溶け込んだ出汁、炙ることで香ばしさの増した味噌の風味、キュウリやネギの新鮮さ、薬味の香りが混じり合い、絶妙なハーモニーを奏でる。食欲の落ち気味な暑い夏でもさっぱりと美味しくいただける。アジやイワシ以外にも、カマスやアゴ(とびうお)、鯛などの魚も使われ、レシピ、味付けは家庭の数だけあると言われる。汁かけ飯と呼ぶ地域も。