豊郷駅

薄昏の駅 その駅は、周囲を氷で覆われていた。雪ではなく、一歩踏み出すのも慎重を要するようなつるつるの氷なのだ。何日か前の昼間の温かい日差しで雪が解けて水たまりとなり、それがこの数日の寒さで凍ったのであろうか。こじんまりと

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増毛駅

北の国の静かな駅 人の波に酔う、という経験をしたことはあるだろうか。 あれは、新宿駅の南口で知人を待っていた時のこと。十数年前の話だ。待ち合わせ時間よりも随分と早く着いてしまったのだが、その日はなんとなくどこかに動いて時

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嘉例川駅

鹿児島最古の木造駅 鹿児島に初めて鉄道が通ったのは、1901年(明治34年)のこと。1889年(明治22年)11月22日に博多~千歳川仮停車場間が開通、1日3往復で運行を開始した鹿児島本線が、1891年(明治24年) 7

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遠江一宮駅

登録有形文化財の駅 遠州の小京都とも称される静岡県周智郡森町は三方を山に囲まれた自然豊かで美しい町だ。かつては瓦や鋳物、焼物の町として知られ、信州と遠州を結ぶ「塩の道」の宿場町としても栄えたという。浪曲好きの方なら御馴染

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抜海駅

あてのない旅 そして人は旅に出る 「あてのない旅」の蠱惑的な芳香は、実際にそれを体感した者でないとわからない。宿泊場所も決めず、移動手段も目的地も定めない。漠然とした不安を背中辺りに漂わせながら、それ以上の解放感と自由を

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笑内駅

マタギの里の駅 その字面を見ていると、何となくほっこりとしてしまうような思わず笑顔になってしまうような名前。のんびりでほわっとした佇まいの小さくて愛らしい駅。秋田県の山間部、町のおよそ94%を森林が占める自然豊かな場所に

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下灘駅

遠い記憶 透明の中に、青色と白色とオレンジ色を流し込んだような静寂。光は柔らかく微笑み、風はゆったりと頬杖を付く。たゆたう雲は佳日の記憶。ぬくもりと優しさと切なさと寂しさが同居する。郷愁は流れゆき、日は又繰り返す。そはひ

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門司港駅

大正ロマン門司港レトロ 福岡県北九州市門司区の海岸にほど近い場所にあるJR門司港駅は、1914年(大正三年)に建てられた九州で二番目に古い木造駅。駅舎は、左右対称のネオ・ルネッサンス様式のデザインが特徴的で、映画「終着駅

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松尾八幡平駅

花輪線の駅 盛岡に着いた時にはしんしんと降っていた雪も、いつのまにか止んでいた。時刻は22時半を少し回った頃。都会ではひと度降れば大騒ぎとなる雪も、さすがは北国、まったくの日常のごとく、道路はスムースに流れていた。とはい

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幸福駅

幸せの駅へ 雄大な景色が広がる北海道は帯広の町に、その名を聞くだけでちょっと気分が晴れるような、なんだか幸せが訪れる気がするような素敵な名前の駅がかつて存在した。少し年配の方や、鉄道好き、旅好きの方ならご存知だろう、国鉄

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