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岡山の郷土料理

中国地方・岡山の食べ物

岡山の美味しいもの

岡山の郷土料理 / 岡山グルメ

「晴れの国 おかやま」として知られる岡山県は、面積7,115平方キロメートル(全国第17位)に約189万人の人々が暮らす中国地方の県。宮島のある広島県や、神戸や姫路城のある兵庫県に挟まれてあまり目立たないが、実は、国の特別名勝で日本三名園の一つ「後楽園(岡山後楽園)」や、かつて日本三大学府にも数えられたという国宝指定の旧藩校「閑谷学校」、本殿が国宝の「吉備津神社」、古き良き時代の美しい町並みの広がる「倉敷(倉敷美観地区)」やベンガラ色の町並みの素敵な「吹屋」、堅牢強固な石垣が印象的な津山城跡や備中松山城など、魅力あふれる観光スポット、興味深い歴史スポットが数多く点在する県だ。

そんな「岡山の食べ物」といえば、県の花でもある「桃」や、「マスカット」「きびだんご」などがよく知られているが、実はそれ以外にも(観光スポット同様、あまり目立ってこそいないが)美味しい食べ物が沢山あるのだ。瀬戸内海の恵み、新鮮なタイや鰆(さわら)、シャコにカキ(牡蠣)、ママカリといった魚介類や、豊富な農産物、山の幸、桃やブドウなどの果物、銘菓やスイーツと、魅惑的な食べ物が目白押し。郷土料理はもちろん、「蒜山焼きそば」や「えびめし」など、B級グルメ、ご当地グルメも充実。そんな岡山の郷土料理・B級グルメ、郷土グルメ、岡山の食べ物の数々をご紹介しよう。

ままかり

あまりの美味しさにご飯が進んでしまい、お隣さんに「まま(ご飯)」を「借り(かり)」に行かなければならないほど、ということで「ままかり(飯借)」と呼ばれるようになったといわれるこの魚は、岡山を代表する郷土の味覚の一つ。手のひらサイズほどの大きさで、ニシン目ニシン科「サッパ」が正式名称だが、岡山ではもっぱら「ままかり」の名で親しまれている。さっぱりとした淡白な味わいは、後を引く美味さで、まさに「ままかり」。塩をしてから酢に漬けた「ままかりの酢漬け」が定番のほか、塩焼き、刺身、寿司(ままかりの寿司)、揚げ物など、様々な調理法で食べられる。

ままかりの酢漬けの詳細ページへ

ままかりの押し寿司

シャコ

岡山といえば「シャコ」という人もいるほど、岡山のしゃこは知られた存在。プリップリで旨味が強く、一度食べたら今までの蝦蛄の概念が覆されるかもしれないほどの存在感。瀬戸内海で多く獲れるシャコは、春から初夏にかけてが旬。特産地として知られる笠岡や浅口、日生のほか、瀬戸内海沿岸部地域や、真鍋島などの島嶼は勿論、岡山市などでも絶品のしゃこ料理が頂ける。シャコをフライにして卵でとじたものを丼ご飯に乗せた笠岡の名物「シャコ丼」もおすすめ!

タコ

瀬戸内海のタコといえば兵庫県の明石のタコ(明石ダコ)や広島県の三原のタコがよく知られているが、岡山のタコも負けてはいない。特に倉敷の下津井で水揚げされるタコは「下津井ダコ」として全国的に名が通っており、旨味たっぷりのタコの味を求めて訪れる人も少なくない。特に味がよくなるという秋から冬にかけての寒い時期のタコは「寒ダコ」と呼ばれて重宝され、身がしまり、ぎゅっと旨味が詰まったタコは、刺身はもちろん、天ぷら、タコ飯、蒸しだこ、干しダコなど、様々な味わいで人々を楽しませる。

下津井のタコ(隣は日生のシャコ)

さわら料理

岡山では「刺身」といえば、さわらの刺身を思い浮かべる人が多いといわれるほど、岡山の人々に愛されているサワラ。魚へんに春と書く「鰆」の字の如く、旬の「春」になると、瀬戸内海で水揚げされたサワラが食卓に並ぶ。トロのように脂が乗っていながら淡白でくせがないその味は絶品。刺身は勿論のこと、タタキ、塩焼き、炒り焼きなどで食されるほか、真子の煮付けや白子のみそ汁も定番。岡山の郷土料理「バラ寿司」にも欠かせない。

さわらのたたき

さわら漬け丼

岡山ばらずし

岡山バラ寿司

岡山の伝統的な郷土料理、郷土のご馳走として知られるのがこのバラ寿司(岡山ばら寿司・備前ばら寿司)。サワラやアナゴ、エビやシャコ、タコ、モガイ、ママカリなどの魚介類、ゴボウやニンジン、れんこん、さやえんどう、シイタケなどの野菜類・根菜類・キノコ類、かんぴょう、高野豆腐、ちくわ、蒲鉾、錦糸卵などを用いたばら寿司で、華やかな見た目と色とりどりの具材の様々な味わいの組み合わせが妙の料理。岡山寿司(岡山ずし)、まつりずし(祭寿司)などとも呼ばれる。元々は備前岡山初代藩主である池田光政公によって出された倹約令(一汁一菜)に対して庶民たちが、ご飯の中に様々な具材を混ぜ込んで「一菜」とし、汁物と合わせて「一汁一菜」に仕立て、見た目は質素に味わいは豪華な料理を特別な日に食べていたのが発祥といわれる。現在では見た目も豪勢に、結婚式や祝い事などのハレの日に食べるごちそうとして親しまれている。

どどめせ

どどめせ

知らない人が料理の名前だけ聞くと、どんな料理なのか想像もつかないであろう「どどめせ」は、ばら寿司で使う具材を米と共に炊きこみ、酢で調味した「蒸し寿司」「煮込み寿司」のような料理。岡山ばらずしの原点ともいわれる食べ物だ。備前福岡(瀬戸内市長船町)に伝わる品で、その発祥は鎌倉時代に遡るといわれる歴史ある料理だ。鎌倉時代の末期頃に、渡し船の船頭さんが、炊き込み御飯に発酵が進んで酸味の強くなった「どぶろく」をかけて食べたところ、これが大層美味しく、それ以来「どぶろくめし」として食べるようになったという。この「どぶろくめし」が転訛して「どどめせ」となったといい、それがいつしか「ばらずし」へと繋がったといわれる。この「どどめせ」そのものは、やがて姿を消してしまったものの、昭和60年代に地元の女性グループの手により復活、現在では郷土料理の一つとして親しまれている。

そずり鍋

そずり鍋

そずり鍋とは、骨の周りの肉を用いて作られる鍋。「そずり」とは、津山地域の言葉で「そぎ取る」といったような意味。骨から「そずって」取った肉を用い、野菜や豆腐、キノコ類などもたっぷり入れて、醤油ベースで仕立てた鍋は旨味濃厚で滋味に溢れる。古くから肉料理を食べてきた津山地方の郷土料理だ。

蒜山そば

蒜山そば
蒜山そば

水が綺麗で昼夜の温度差のある蒜山では蕎麦が特産品となっており、その蕎麦の実を挽いて作られる「蒜山そば」は、蕎麦好きも唸る一品。蒜山地方を訪れたら是非とも味わってみたい。

鮨丼

鮨丼

丼に盛った酢飯に瀬戸内海で獲れた新鮮な海の幸をこれでもかと盛りつけた「おかやま鮨丼」。海鮮丼とは趣が少し違い、本格的な寿司屋がこだわりの旬の「寿司ネタ」をふんだんに盛り付けているのが特徴。「岡山の旬を喰らう」をキーフレーズに岡山市、津山市、玉野市、新見市、倉敷市の寿司店が、それぞれ趣向を凝らした「鮨丼」を提供している。

蒜山おこわ

蒜山おこわ

蒜山地方で、祝い事の際などに食べられる料理として親しまれているのが「蒜山おこわ」。鶏肉、シイタケ、シメジ、油揚げ、さやいんげん、コンニャク、ぜんまい、フキ、ゴボウ、ニンジンに小豆と栗も入る醤油味の具だくさんの五目おこわで、もち米の甘味と出汁の味わい、具材の旨味が見事に調和した郷土料理。

岡山のご当地グルメ

岡山のB級グルメ 岡山のご当地グルメ

津山ホルモンうどん

津山ホルモンうどん

美作地方の中心に位置し、古くから城下町として栄えてきた津山の名物料理が「津山ホルモンうどん」だ。ホルモンとうどん。あまり耳慣れない組み合わせだが、これが滅法美味いのだ。今まで、「ホルモンうどん」をご存じなかった方はこう思うだろう。「ホルモンとうどん」って合うの?と。

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ひるぜん焼きそば

ひるぜん焼きそば

味付けにソースではなくタレを使うのがひるぜん焼きそばの特徴。各店、各家で独自に調合された秘伝のタレだ。りんご、たまねぎ、ニンニク、しょうがなどなどをそれぞれ好みの分量で配合して作る。家庭では市販の焼肉やジンギスカンのタレを使うことも。野菜や果物のたっぷり入ったタレの旨みと香りが、もっちり麺に絡み、さらに具材として入れられる鶏肉のしっかりとした味わいと高原キャベツの甘み、旨みが合わさり、「ひるぜん焼きそば」の世界を作り上げる。

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日生カキオコ

日生カキオコ

今や、日生(ひなせ)の名物ご当地グルメとして人気の「日生カキオコ」は、地元のカキ漁師の妻たちが、市場に出荷しないような小さなカキや傷の入ったカキをお好み焼きに入れて食べたのが始まりといわれる絶品グルメ。食べ慣れているはずのお好み焼きが、牡蠣が入ることで、一味もふた味もぐっと旨味と味わいを増して、違う次元の食べ物になるのだ。

えびめし

えびめし

岡山市のご当地グルメとして知られるえびめしは、数種類のスパイスが入った特製のえびめしソースでご飯を炒めた、スパイシーなピラフやドライカレーのような料理。濃厚な旨味と濃いブラウンと鮮やかな錦糸卵の黄色の見た目がインパクトのあるこの一皿は、1960年代から岡山で食べられているというソウルフードだ。東京の老舗カレー店に修行に出ていた考案者が岡山に帰ってきて提供をはじめ、次第に広まったといわれる。プリッとしたエビの食感と風味豊かな味わいで市民は勿論、観光客やビジネス客のハートをがっちり鷲掴み。

えびめしについてさらに詳しく知る

デミカツ丼

デミカツ丼

卵でとじたカツ丼のみならず、ソースかつ丼やたれカツ丼など、日本各地には様々なスタイルのカツ丼が存在しているが、岡山のカツ丼といえば、茹でたキャベツが入ったカツ丼にデミグラスソースがかかったこの「おかやまデミカツ丼」。1931年(昭和6年)創業のとんかつ店「味司 野村」が発祥といわれるメニューで、初代店主が、東京の帝国ホテルで味わったドミグラス・ソースを岡山の人々にも楽しんでほしい、というアイデアから生まれたという。代々受け継がれるドミグラス・ソースがかかったカツ丼は、卵でとじたカツ丼とは随分と印象が異なり、和食寄りの「カツ丼」という食べ物を洋食寄りの一品に。「味司 野村」では、ハーフサイズなど小ぶりのサイズも用意されているので、岡山の色々なご当地グルメを食べ歩きたい、という際にも便利。おかやまデミカツ丼は、「味司 野村」以外にも「食堂やまと」「雅芳」「長浜ラーメン 山がさ」「だてそば」「ALOALO」など、カツ丼店のみならず、蕎麦屋、ラーメン屋(中華そば屋)、レストラン、カフェなど、県内の様々なスタイルのお店で提供されているので是非お試しあれ。

デニムまん

デニムマン

漫画界の巨匠・永井豪の代表作の一つ「デビルマン」を髣髴とさせるような名前と色合いの「デニムまん」は、「日本のデニム発祥の地」として有名な倉敷市のご当地グルメ。驚愕の青色(藍色)の皮のインパクトと来たら!クチナシを用いて色づけされたこの「デニムマン」、見た目こそ驚きの色合いだが、味は意外にも(!?)正統派。黒豚を使用した餡はコクと旨味があり、決して見た目だけの奇をてらったB級グルメというわけではなさそうだ。デニムまんのほかにも、デニムバーガー、デニムソフト、デニムタピオカ、デニムスカッシュなど、デニム色をモチーフにした食べ物、飲み物があるので、話のタネにいいかも。

岡山の菓子

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きび団子

岡山といえば「桃太郎」、「桃太郎」といえば「きびだんご」。ご存じ、イヌやサルやキジを鬼が島に連れて行く際に配ったお菓子は、岡山を代表する銘菓となっている。諸説あるが、そもそも「きびだんご」には、「黍団子」と「吉備団子」の表記があり、「黍団子」は文字通り「黍(キビ)」で作った団子のこと、「吉備団子」は吉備国(現在の岡山全域、および広島、香川、兵庫の一部地域)の団子、ということ。吉備の国では黍がよく取れたといい、その黍で作る団子を食べていたそう。つまり「きびだんご」は、岡山の銘菓となるべくして生まれた団子というわけ。この「きびだんご」、土産物店などでも売られているが、岡山を訪れたら、是非とも江戸時代から続く老舗店など、本格的な菓子店で製造され売られているものを味わってみて。

雪しぐれ

津山地方の銘菓として知られるのが「雪しぐれ」。津山から見える中国山地の山々に積もった雪を表現した皮の中には、上品な甘さのこしあんが包まれている。可愛らしい見た目と素朴な味わいで、地元の人々に愛されているお菓子だ。

むらすずめ(むらすゞめ)

倉敷を代表する銘菓として知られるのが「むらすずめ」。100年以上も愛されている美しくて優しい菓子だ。小麦粉と卵で作られる皮に包まれているのは粒あん。薄く、しっとりと焼かれた皮が甘みを抑えた小豆とよく合う。考案された当時はまだ珍しかったともいう小麦粉と卵の組み合わせは「洋の菓子」のような「ハイカラ」さで人々の注目を集めたというが、時を経て、いつしか地元の人々の心の菓子のような存在になっているのだ。

ばらずし、どどめせ、そずり鍋、蒜山そば、鮨丼、蒜山おこわ、日生カキオコ、えびめし、デミカツ丼、デニムまん(画像提供:岡山県観光連盟)

Japan Web Magazine 編集部

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