みたままつり 2023 日本の美しさを感じる時
公開日: 2023年7月14日 | 最終更新日 2023年7月14日
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幽玄で美しい夏のまつり
東京都千代田区の靖国神社で「みたままつり」が2023年7月13日から開催中です。7月16日まで。
「みたままつり」は、靖国神社の参道と境内に、全国から奉納された数々の「提灯」を掲げて、戦没者を偲び慰霊することを目的に昭和22年に始まったもの。元来、神道でも仏教でも「火」は、不浄を焼き払って清める特別な力があるとされ、宗派などによっても多少意味合いは異なりますが、灯明や灯火などを神前・仏前に捧げる「献灯(けんとう)」が色々な形で行われ、それらは「御灯(みあかし)・・・神仏に供える灯火」とも呼ばれて大切にされてきました。
「みたままつり」では、第一鳥居周辺から第二鳥居周辺までの「外苑」に、奉納者の名が表面に墨書きされた「大型献灯」と呼ばれる大きな献灯が約1万灯、神門をくぐった内側の「内苑」には「小型献灯」と呼ばれる献灯が約2万灯掲げられるほか、「弘前ねぷた」や「湯沢絵灯籠」などの全国から奉納された灯籠、「懸ぼんぼり」と呼ばれる、各界著名人の手による約300点のぼんぼりと、著名俳人の献句・全国から集まった2000句の中から選定された約150の「献句ぼんぼり」なども掲げられて、幻想的な美しさを醸し出します。15日、16日には神輿も出るほか、期間中は毎夕、大村益次郎像周辺で盆踊り大会が行われたり、青森ねぶたのパレード、吹奏楽パレード、江戸芸かっぽれ、阿波踊りなども行われます。
内苑の小型献灯
神門に飾られた七夕飾り(仙台七夕飾り)
ほかの全てのお祭りもそうですが、「現世に生きる私たちが、日常の嫌なことを忘れ、ただひと時を刹那的に楽しむために「どんちゃん騒ぎ」をする」ということだけが「日本の祭り」の意味・目的ではなく(もちろん、お祝いや楽しみ、喜び、発散の意味も兼ね備えつつも)、日本人独特の死生観と命に対する考え方、目に見えぬ存在への感謝と畏怖、死者への感謝と懐かしさと偲びと思い出と悼みと怖れ、そうした様々な観念、感覚、感情が、ある形となって体現されたもの、それこそが「まつり・祭」であり、それらをとてもよく感じられるのが、この「みたままつり」という気がします。
みたままつりの大型献灯
人は生まれ育った環境や過去と今の状況など、色々な出来事と経験を元に、様々な考えを持ち、色々な感情を抱いて生きていますが、「みたままつり」の数え切れぬほどの提灯の明かりの美しさを見ていると、ふとした瞬間に、「自分は何者なのか」「自分のために、人のために、自分はどう生きていくのか、どう生きていくべきなのか」等々、日常生活の中ではつい忘れがち、目をつむりがちな、大切なことが頭をよぎったりします。
過去から現在・未来へと、連綿と続く大いなる時間の中で、何かの縁や何かの繋がりがあってこそ、今の自分が生きているということ、生かされているということ、そんなことに想いが至ったりもします。日頃忘れがちな謙虚な気持ちや感謝の心、反省、そんなものを感じられるのも、こうした「まつり」の良さなのかもしれません。
日常生活の中で、怒りやいらだち、妬み、嫉み、やっかみなどの、ネガティブで猥雑な感情が、つい湧いて出てしまう瞬間。度が過ぎた、自己愛、自己顕示欲、自己憐憫、そんなものに支配されてしまう瞬間。そのような瞬間は、きっと誰しもあることでしょう。一年に一度でも、そうした感情はどこかに置いて、心静かに一人で、もしくは誰かと賑やかに楽しみながらのふとした合間にでも、謙虚になったり、感謝の気持ちを抱いたり、愛を感じたり、そういったことがとても大切なことなのだなと感じるのです。
もちろん、幽玄な雰囲気に満ちた中で、幻想的な美しさを純粋に堪能するのも良し、久しぶりの顔ぶれ(もしくはいつものメンツ)でワイワイ楽しむのもあり。その場に足を運んで、目で見て耳で聞いて全身で感じることが、いいなという気がします。懐深い、大いなる存在の前に、小さなことは笑い飛ばしてくれるかもしれません。
美しさや、楽しさや、荘厳や厳粛や、謙虚や感謝を感じに是非出かけてみてくださいね。
みたままつりの開催日時
みたままつりの開催期間は2023年7月13日~16日まで。
7月13日(木)17時から前夜祭
7月14日(金)17時から第一夜祭
7月15日(土)17時から第二夜祭
7月16日(日)17時から第三夜祭
という祭事日程になっています。
みたままつりの終了時刻は各21時半(神門の閉門および献灯の消灯時間)となっていますので、早めにおでかけになるのをおすすめします。金曜日、土曜日、日曜日は特に混み合いますので、小さなお子さん連れの方はご注意くださいね。
みたままつりの場所にお手洗い、トイレはある?
人が多く集まる中、特に女性や子供さん、(+お酒飲み)にとって大切な「お手洗い」は数か所。大村益次郎像のそば、さらにその奥の参拝者駐車場、外苑休憩所、内苑の参拝者休憩所などにあります。タイミングによっては混み合うので、あらかじめお手洗いの場所を確認し、或る程度余裕を持っていかれることをおすすめします。
みたままつり 会場へのアクセス
みたままつりは、靖国神社の外苑と内苑、いわゆる参道と境内で行われます。靖国神社へのアクセスは、九段下駅から徒歩5分。1番出口から出るととても分かりやすいです。そのほか、中央・総武線の「飯田橋駅」の西口から、または「市ヶ谷駅」から徒歩で約10分ほど。飯田橋駅や市ヶ谷駅は、有楽町線、南北線なども通っています。バスの場合は「九段下~高田馬場系統」の「九段上停留所」から徒歩で約1分です。
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みたままつり DATA
- 場所: 靖国神社 〒102-8246 東京都千代田区九段北3-1-1
- 交通(公共交通機関で):
◇東西線 / 半蔵門線 / 都営新宿線「九段下駅(1番出口)」から徒歩約5分
◇有楽町線 / 南北線 / 都営新宿線「市ヶ谷駅(A4出口)」から徒歩約10分
◇東西線 / 有楽町線 / 南北線「飯田橋駅(A2出口、A5出口)」から徒歩約10分
◇中央・総武線各駅停車「飯田橋駅」(西口)または「市ヶ谷駅」から徒歩約10分 - 交通(車で): 首都高代官町出口から約5分。または首都高西神田出口から約5分。もしくは首都高飯田橋出口から、約5分。
- 駐車場: あり 乗用車 70台 / 自動二輪車 10台
- 期間: 7月13日~16日
- 時間: 21時半まで
- 問い合わせ: 電話:03-3261-8326(代表)