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角館武家屋敷と桜

角館武家屋敷

角館武家屋敷としだれ桜の風景

夜半過ぎから降り始めた雨は、朝が来ても依然しとしとと降り続いていた。空気も地面も湿っている。しかし、かえってそのしっとりとした感じがこの落ち着いた町並みには良く似合う。黒く塗られた壁はより趣きを増し、艶やかに咲く枝垂れ桜は濡れ髪の色気を漂わせながら品のある面持ちで佇んでいる。女性ならばその色の美しさと花の可愛らしさに、男性ならばしどけなくも愛らしく、品がありながらも色艶も兼ね備えたその光景に思わず目を見張るだろう。それは現代的な最新精鋭完璧精密なものからは決して生まれることのない「間」と「色」のある美しさだ。時が過ぎて薄皮が剥がれ落ち、躍動と純真の変わりに渋みと落ち着きを持ったもののみが醸すことの出来る、空気が匂やかに漂うような美しさだ。儚さは風に揺られて、優しく肌を撫ぜてゆく。静けさは滲み、沈着が空気を震わせる。細胞の片隅に宿った「美」の残り香は、ふわり空気へ溶け込んで、心はいつしか薄桜色になる。

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角館武家屋敷
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みちのくの小京都

三方を小高い山に囲まれた角館は、町の中心部に今も6軒の武家屋敷が残り、町のそこかしこに歴史の香り漂う城下町。落ち着いた佇まいの建物と町並みが、かつての風情を今に伝えている。その趣のある町並みは「みちのくの小京都」と呼ばれて親しまれ、一年を通してそれぞれの美しさを垣間見せるが、特に4月中旬から5月初旬にかけては各所に植えられた桜が町全体を淡い桜色に染め上げ、その美しい様相を求めて多くの人々がやってくる。

角館武家屋敷

武家屋敷通りのしだれ桜。このしだれ桜は、今から350年ほど前に京都からこの角館にやってきた姫君の嫁入り道具の中に入っていた三本の苗木が元だと伝えられる。それを裏付けるように、これらのしだれ桜の殆どが京都祇園のそれと同種なのだという。藩政時代に京都からやってきた桜がいつしかその数を増やし、町全体に咲き乱れるようになったのだ。ちなみに、町内にある桜約400本のうち、国の天然記念物に指定されている桜は実に162本を数えるというから驚きだ。

   

角館武家屋敷
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