野沢菜漬
公開日: 2013年3月18日 | 最終更新日 2015年6月30日
信州のお漬物
全国的にその名を知られる野沢菜漬けは、信州を代表するお漬物。しゃきしゃきっとした歯ごたえと乳酸発酵の柔らかであっさりとした味わい、ほどよい塩加減と漬かり具合で、ご飯やお酒にとてもあうお漬物だ。
野沢菜漬けの原料「野沢菜」は、アブラナ科の植物で、菜の花の仲間。野沢菜は漬物が有名だが、栽培の際に間引かれたものは地元ではお浸しなどにして食べられている。特に一番間引きの初物を湯がいたもののその美味しさは、地元の人をして「鯛の刺身よりも美味しい」と言わしめるものだとか。
夏の終わりごろ種をまき、すくすくと育った野沢菜は背丈が1メートルほどにもなる。野沢温泉周辺では11月初旬から中旬にかけて収穫され、共同浴場(野沢温泉)で洗われた後(お菜洗い)、塩漬けにされる。12月の中旬ともなると、本漬けと呼ばれる熟成された美しいべっこう色をした野沢菜漬けを味わえる。
野沢温泉の宿やスキー宿ではほぼどこでもこの野沢菜がご飯やお茶のお伴に供される。お汁粉などとの相性も抜群。食べ方は、そのままはもちろん、ラーメンのトッピング、チャーハンに入れても美味しい。食べ頃が過ぎて酸味が出たものは、炒めものに。また煮干しや昆布、酒粕、醤油などを入れて煮る酒粕煮という食べ方も地元流。おやきの具としても定番だ。