鯵の三杯
公開日: 2012年8月12日 | 最終更新日 2021年8月14日
さぬきの味
鯵の三杯(アジの三杯)とは、新鮮な鯵を焼いて三杯酢に漬けたものだ。「三杯酢漬け」、またはシンプルに「三杯」とも呼ばれる。骨まで柔らかく、丸ごと無駄なく食べられる上に保存性もいい、先人の知恵と工夫が詰まったお惣菜で、瀬戸内地方、特に讃岐の郷土の味だ。
鯵の三杯には、夏から秋にかけての10~15cm程の旬の小あじが主に使われる。油で揚げてから酢につける南蛮漬けと違い、油を使用せずに焼くだけなので、さっぱりしていて、適度な酸味があり、暑い夏にも食べやすいのが特徴だ。あじの他、ままかりやきすご(キス)、たなご、ねばこちなども使われる。各家庭にそれぞれ少しずつ異なったレシピがあり、家によって葱やしょうが、みょうが、鷹の爪などを加えたり、旬のすだちや青しそを添えたりする。
鯵の三杯の作り方
材料(3~4人前)
- 小ぶりのアジ 6~8匹
- 酢 半カップ(90cc)
- 砂糖 20g
- みりん 大匙1
- しょうゆ 70cc
- (お好みで)だし汁 50cc
- 塩 少々
- (お好みで)鷹の爪、しょうが、茗荷、すだち、青しそなど
作り方
- 1. 鯵はエラと内臓を取る。あごの下に指を突っ込み、エラをつまんで引っ張りながら内臓と一緒に取ると簡単。小ぶりのものはゼイゴ(ぜんご・尾っぽ近くの堅いウロコ)はそれほど気にしなくてよい。頭も同様。(もちろん気になる場合はゼイゴ、頭を取り除いて)。
- 2. 三杯酢を作る。分量の酢、砂糖、醤油、みりんを合わせる。分量はお好みで。甘いのが好みでない場合は、砂糖、みりんを減らして。好みで鷹の爪やしょうが、茗荷などの薬味を加える。
- 3. 下処理したアジに軽く塩をして少し置く。
- 4. アジを焼く。はじめに表面を焼き、焦げ目がついたらひっくり返して中まで火を通す。あまり火を通しすぎるとぱさぱさになってしまうので注意。
- 5. アジが焼けたら、熱いまますぐに2で作っておいた三杯酢に漬ける。熱いうちに漬けるのがおいしさのコツ。そのままなじませる。一晩置くと味がよりなじんでおいしくなる。
Memo
讃岐の夏祭りの酒宴の肴には欠かせない鯵の三杯。讃岐の他、鳴門などでも同じようなレシピで食べられている。