十二湖
公開日: 2007年6月12日 | 最終更新日 2023年10月9日
Contents
神秘の青
それはまるで、森の中で見つけたひっそりと神秘的に輝く宝石のよう。木々の間から漏れ来る朝の柔らかい陽光が、池の中にそっと差し込んで、ため息が出るほどに美しい青色できらめいています。
音も立てずに目の前を通り過ぎた二尾のヤマメは、その下に横たわる朽ちた木の空洞に入っていきました。
とても平和で幸せな光景。透過した光が、きらきらと水底で輝いています。
あまりにも全てが澄みきって、まるでそこには水が存在しないかのような錯覚さえ覚えるほどです。
そこには空気と水の境目さえないようです。空気は水の中に溶け込み、水は空気の中に溶け込んでいきます。世界はゆるやかに融合していくのです。
光輝を放ちながら、上へと落ちていきます。それは純粋でゆるやかな絶頂。優しく落ち着いた幻。
グレツキの交響曲の様に、裏に激情を秘めつつも、穏やかに微笑みながら静かに佇んでいるのです。表に見えるものの後ろに、深い情は隠されていました。
十二湖は白神山地の一角にある湖の総称です。1704年の地震で川がせき止められて出来たと推定されています。青池、沸壷の池、越口の池、王池、金山の池など付近には全部で33の湖沼が点在しますが、大崩から見ると12の湖(池)が見えるのでこの名がついたといわれています。
光の具合によってその濃さを変えながらも、美しい色を見せる池の水。その色の秘密は詳しくはわかっていないのだそうです。
さらさらと吹く風に水面はゆれ、サファイアブルーからエメラルドグリーンへとその色を変えていきます。
いつまで眺めていても、それは飽きることの無い光景なのです。
ただ静かに時だけが流れていきます。
十二湖へのアクセス
十二湖へは、JR東日本・五能線「十二湖駅」下車、弘南バス十二湖線に乗車し、終点「奥十二湖」下車後徒歩で。(冬季は通行止めになるので注意)。散策に要する時間は1時間半~。あまり急がず、ゆっくりと幻想的な美しさを楽しみたい。散策路は整備されてはいるが、足元が悪い場所もあるのでハイヒールやサンダル以外の歩きやすい靴がおすすめです。
十二湖 詳細データ
十二湖(じゅうにこ) DATA
- 場所: 青森県西津軽郡深浦町
- 交通(公共交通機関で): JR五能線十二湖駅から弘南バス十二湖行き(4月上旬~11月運行予定)で15分、奥十二湖駐車場下車すぐ
- 交通(車で): 秋田自動車道(琴丘能代道路)「能代南IC」より約1時間30分・東北自動車道「浪岡IC」より約2時間45分・青森市中心部より約3時間。
- 駐車場: 駐車場あり(有料)
- 期間: 通年(11月~5月中旬までは、積雪のため通行困難)
- 問い合わせ: 0173-74-2111
十二湖
+-で地図を拡大縮小