屋久島
公開日: 2007年11月21日 | 最終更新日 2019年12月22日
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生命漲る島「屋久島」
屋久島は九州の南西およそ60キロの海上に位置する島だ。面積は504.88平方キロメートル。日本で9番目、九州地方でも奄美大島に次ぐ大きさを誇る。年間降雨量が4000mmを越し、「月に35日降る」とも表現される多量の雨が、島を潤し、木々を生い茂らせ、多種多様な生き物の生命を育んでいる。島は生命に満ち満ちている。1993年、島の面積の約二割にあたる107.47平方キロメートルが、姫路城、法隆寺、白神山地とともに日本初の世界自然遺産に登録された。
屋久島の森・屋久島の木々
海抜0mから九州最高峰を誇る宮之浦岳の1936mまでの標高差と、平地でも約4,000mm、山地では8,000mmから10,000mmにも達する年間降雨量の屋久島では、高地では積雪もある一方、低地ではジャングルの様な森が広がるなど、亜熱帯の島とは思えないほど、豊かな生態系が繰り広げられている。縄文杉に代表される屋久杉などの巨大な木々が屹立し、原始の森を思わせるようなシダ類やコケ類、菌類を含めた様々な植物類が生き生きと繁茂し、豊かな森を形成しているのだ。
縄文杉
縄文杉
標高1,300mの場所にどっしりと生える推定樹齢2,600~7,200年といわれる屋久杉「縄文杉」。樹高25.3m、胸高周囲16.4mで確認されている中では最大の屋久杉だ。数千年の長きに渡り、生き続けてきた「縄文杉」のその存在感は見るものをただただ圧倒する。
ウィルソン株
ウィルソン株
1586年(天正14年)、大阪城建築(京都方広寺説もあり)用の木材として切り出されたと言われる屋久杉の切り株。胸高周囲13.8m。日本の植生を調査したアメリカの植物学者アーネスト・ヘンリー・ウィルソン博士の名に因む。
17世紀に入ると薩摩藩は本格的に屋久島の伐採を始める。明治期まで、沢山の木が切られ、船で九州本土へ運ばれたが、樹齢1000年を越える屋久杉は年輪が均等でないために木材にあまり適さず、また巨大なため製材運搬作業が困難だったこともあり、切られずに生き残った例が多い。
ウィルソン株は空洞になっていて中に入る事が出来る。中は、寝泊り出来そうなほどの広さだ。ある角度から上を見上げると空がハート型に切り取られて見える。
倒木更新
台風や雷、寿命または伐採などで切られた木の切り株や倒木に、新たに木が芽生え、成長して成木になる。これを倒木更新という。下草に邪魔されないので陽が入りやすく、また古木の表面に生えた苔が新芽に適度な湿度をもたらすなどの有利な点があり、直接地面に落ちて芽を出す種よりも、育ちやすいのだ。さらに切り株や倒木の栄養分も成長の助けになる。この倒木更新、エゾマツ、トドマツ、ヒノキ、ブナなどの木でよく見られるが、屋久杉にも多く見られる。屋久島の森を歩いていると、そこかしこでこの何百年、何千年という気の遠くなるような時を経て行われる自然の営みの形を目にする事が出来る。虎は皮を残し、人は名を残す。屋久杉は倒れて、子孫の為に生育環境を残すのだ。命は巡り、受け継がれていく。自然は循環し、転生していく。
屋久島の滝
千尋(せんぴろ)の滝
宮之浦地区から車で50分、安房地区からなら車で25分ほどの場所にある滝。幅約200メートルの花崗岩の巨大な一枚岩から流れ落ちる様は壮観。落差約60メートル。
千尋の滝の詳細ページへ
大川(おおこ)の滝
駐車場から歩いて滝つぼのすぐそばまで行く事が出来る。落差88メートル。
大川の滝の詳細ページへ
龍神の滝
龍神の滝の詳細ページへ
屋久島の生き物達
ヤクザルとヤクシカは屋久島にしか生息していない固有種(固有亜種)。本土に住んでいる猿や鹿よりも、全体的に小柄なのが特徴。一時、絶滅が危惧されるほど数が減ってしまったが、現在個体数は安定して増加傾向にあり、逆に絶滅危惧種の植物の減少も懸念されているという。屋久島には他にも数種類の固有種が生息している。
屋久島の温泉
その名の通り、海の中に湧き出る温泉。干潮になると姿を現す。干潮前後約2時間、一日計4時間ほどしか入浴できないながら、豪快で野趣溢れる温泉。
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屋久島の山
宮之浦岳 (1,936m)
九州地方最高峰を誇る宮之浦岳。日本百名山の一つでもある。
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花之江河
花之江河(はなのえごう)
花之江河は日本最南端にある高層湿原。高層湿原とは、低温・過湿な気候のために枯死したコケ類(主にミズゴケ)が分解されずに泥炭となって多量に蓄積され形成される湿原で、土壌や表面の水分の栄養が乏しいために大きな樹木が育たず、貴重な動植物が生息・生育する場合が多い場所。枯れ木が立ち並ぶ中、清々しくも神秘的な空気に満ちていて、その景観の美しさは屋久島の中でもトップクラス。
小花之江河(こはなのえごう)
亜熱帯の島とはいえ、朝晩は冷え込む屋久島の高地。水も凍りつく。
屋久島の風景
白谷雲水峡
三本足杉
三本槍杉
屋久島へのアクセス
鹿児島商船のジェットフォイル「トッピー」。「鹿児島港」と屋久島「宮之浦港」または「安房港」を結ぶ。一日5往復。
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関連リンク
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屋久島(やくしま) DATA
- 場所: 鹿児島県熊毛郡屋久島町屋久島
- 交通(船で): 鹿児島本港から鹿児島商船ジェットフィルトッピー屋久島行きで2時間35分、フェリーで4時間で宮之浦港または安房港
- 交通(飛行機で): 鹿児島空港から飛行機で30分
- 駐車場: あり
- 期間: 通年
- 問い合わせ: 0997-49-4010
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屋久島
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