丹後半島 琴引浜の花
日本海に突き出た丹後半島は、美しい海岸線の続く半島として知られる。白波の砕け散る荒々しい断崖や岩礁がある一方で、波の静かな美しい砂浜も点在し、夏になると多くの海水浴客でにぎわいを見せる。丹後半島の西側、経ヶ岬から久美浜町蒲井の間、直線距離にしておよそ35キロメートルほどの間に、実に17つもの海水浴場があることからも、この半島の海岸線の美しさをうかがい知ることができるだろう。
そんな数ある浜辺の中でも、特に有名なのが京丹後市網野町の琴引浜だ。琴引浜は、丹後半島の西側中程に位置し、その全体の見た目や水の綺麗さのみならず、浜辺の砂の美しいことで知られる。天気の良い夏の日など、青い空と白い砂浜、そして綺麗な海の広がる光景は、南国の海にも引けを取らないほど。そして、特筆すべきは、この琴引浜の砂浜、その上を歩くときゅっきゅっとなる「鳴き砂」で出来ているのだ。
「鳴き砂」とは、綺麗な砂浜でのみ見られるもので、石英を主成分とする砂が長い時間をかけて不純物の少ないきれいな水と空気の中でこすれあい、互いに磨かれて表面が滑らかに削られたものだ。これが、互いにすれ合うことにより、きゅっきゅっという音が鳴るのである。
というわけで、今日の写真は、5月の或る朝、そんな琴引浜で出会った花たち。鮮やかな黄色のハマニガナとピンク色が可憐なハマヒルガオ。
ちなみに、琴引浜中央部の太鼓浜のそばには、無料で入浴できる石組みのこぶりな天然露天風呂「琴引浜温泉(琴引浜露天風呂)」もあるので、夏の時期に海水浴にお出かけになる方は、是非チェックしてみてほしい。