富岳風穴からみる世界
公開日: 2015年5月24日 | 最終更新日 2022年10月14日
ぽっかりと大きな口を開けた穴から、樹海の木々が見えている。地底人が初めて地上に出てくる時の気分はこんな感じであろうか。
暗さに慣れた目には、光がやけにまぶしい。今まで見慣れていたはずの緑も一際色鮮やかに見える。
総延長201メートルの富岳風穴は、富士山の噴火によってできた横穴型の溶岩洞窟。青木ヶ原樹海の中にあり、内部の平均気温は3度と、真夏でもひんやりと涼しい場所だ。
入る前はなんとも思わなかったのに風穴から外に出てくると、5月でも外は蒸し暑いと感じるほどに穴の中は涼しくて快適だ。
この涼しさを利用して、かつては天然の冷蔵庫として蚕の卵や植物の種なども貯蔵されていた。
最高部では高さ8.7メートルになる空洞であるにも関わらず、音がまったく反響しないのは洞窟が音を吸収する玄武岩質で出来ているから。
夏でも溶けない氷柱もあり、自然の奥深さ、スケール感を肌で感じることができる。
富岳風穴から青木ヶ原樹海を散策、鳴沢氷穴へ至る道のりをベテランガイドが樹木や草花の話を交えながら、富士山噴火から洞窟誕生までの解説をしてくれるネイチャーガイドツアーもおすすめだ。(要予約。)