桜と中津城
公開日: 2015年4月4日 | 最終更新日 2023年2月20日
現存する近世城郭の石垣としては九州最古の石垣の残る中津城は、藤堂高虎、加藤清正と並ぶ築城の名手として知られた黒田孝高により、1588年(天正16年)に築城された城だ。2014年の大河ドラマをご覧になっていた方ならお分かりの通り、黒田孝高(または出家後の名を取り、黒田如水とも呼ばれた)は、黒田官兵衛その人である。
官兵衛は、自身が居住したこの中津城や妻鹿城、福岡城のほか、姫路城、大坂城(大阪城)、讃岐高松城、石垣山城、名護屋城(肥前国)、広島城など、そうそうたるお城の築城に携わっており、これらの城の名を見ただけでも官兵衛がいかに築城に優れていたかをうかがい知ることができるだろう。
中津城は、周防灘にそそぐ中津川のほとりに築城された平城で、城を取り囲む堀には海水が引き込まれているため、水城とも称された。本丸南の堀と石垣は、市によって修復、復元されており、今治城・高松城と並ぶ日本三大水城の一つに数えられる中津城の往時の佇まいをかいま見ることができる。