霞ケ浦のコブハクチョウ
茨城県と千葉県にまたがって広がる霞ヶ浦は、面積220平方キロメートルの、日本で第二位の面積を誇る湖。茨城県の35パーセントを占める広大な湖で、毎年4月に開催される「かすみがうらマラソン」で知られるほか、ワカサギ、鯉、フナ、シラウオ、ウナギ、鮎など、豊富にとれる淡水魚と、それを調理した甘露煮や佃煮、煮干しなどが、古くから有名だ。
そんな霞ヶ浦のほとりで一羽のコブハクチョウに出会った。何十羽も仲間が集まる場所からは1人離れて、静かに土手の下に佇んでいる。卵を抱えているようでもなく、何か餌を狙っているようでもなく、怪我をしているようでもないが、じっと動かない。考え事でもしているのか。たそがれているのか。なんとなく「絵」になるその光景。
しばらく佇んだまま、そうしていたが、やがて、とことことどこかに歩いて行った。
沢山の蓮の葉が風に揺れている。その間から、白サギが一羽、飛び立った。