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広島の郷土料理

広島の食べ物

広島の食べ物

全国で第11位の約8479平方キロメートルの面積を誇る広島県は、中国地方の中ほどに位置する県。北側に1000メートル以上の山々が連なる中国山地、北部から中部にかけての高原地帯(吉備高原)と台地(世羅台地)、南側に瀬戸内海があり数多くの島々(約140)が点在しています。

比較的寒冷な北部と年間を通して温暖な南部と、地域によって気候風土も異なり、漁業の盛んな瀬戸内海沿岸部で漁獲される海産物、高原エリアなどで生産される米や野菜、果物、雨が少なく温暖な地域で栽培されるレモンをはじめとする柑橘類など、バラエティにとんだ山の幸、海の幸に恵まれています。

歴史的には、県庁所在地である広島市を中心とする県の西側は「安芸(広島、広島西、広島中央、呉、芸北)」と呼ばれ、福山市を中心とする県の東側は「備後(福山・府中、尾三)」と呼ばれる地域で、北部の「備北(三次、庄原)」とあわせ、それぞれの地域ごとに言葉(方言)や文化、風習などに特色があり、おのずと食文化にもそれが表れています。

世界に誇る素晴らしい文化遺産、世界遺産である「厳島神社」と、未来に語り継いでいかなければいけない人類の負の世界遺産である「原爆ドーム」の両方をあわせ持ち、城(城跡・城址)、神社仏閣などの史跡、国の特別名勝でもある「三段峡」などをはじめとする名勝も数多く、豊かな自然と多様な観光資源を持つ魅力的な県・地域「広島」の郷土料理、広島の美味しい食べ物、広島のご当地グルメ、広島の伝統料理、広島の郷土食の数々をご紹介しましょう。

広島の食べ物

広島の郷土料理 / 広島グルメ

全国的に知られた特産品「カキ」をはじめ、アナゴ、イワシなどの魚介類、角寿司などの伝統食から「つけ麵」などの人気のご当地グルメまで多彩な広島の美味しい物、広島名物料理、ご当地グルメ

広島のカキ料理 牡蠣鍋

カキの土手鍋カキの土手鍋

その生産量は日本一、実に全国の生産量の約6割をしめるという広島のカキは、今から約400年以上前から養殖が行われていたといわれる、歴史と伝統を持つ広島の特産品。もちろん、歴史や流通量ばかりがすごいのではなく、広島のカキが有名なのはその美味しさあってのこと。中国山地を流れてくる川がたっぷりの栄養分を広島湾にもたらし、その湾の水で育まれることにより、旨味たっぷりの美味しいカキとなるのです。

流通量が多い為、「広島産のカキ」というだけなら各地のスーパーなどでも購入は出来ますが、やはりその本当の味わいは本場「広島」で味わってみたいもの。旬の時期ともなれば「生(生ガキ)」はもちろん、「蒸し牡蠣」や「焼きガキ」「カキ鍋」「かきご飯」と絶品カキ料理のオンパレード。身も心も「広島の牡蠣」の美味しさに委ねてみてください。

カキフライ

カキフライ

かきご飯かきご飯
干し牡蠣

干し牡蠣

お好み焼き(広島焼き・広島風お好み焼き)

広島市内だけでも800店以上、県内では実に2000店ものお店で提供されているといわれるのが、広島のご当地粉ものグルメであり、ナンバーワン人気のご当地グルメ「広島風お好み焼き」「広島焼き」です。広島では、もちろん「広島風」などとは言わず、単に「お好み焼き」または「お好み」と呼びます。「広島風」なんてつけて呼んだ日には、人によっては「広島風?広島が本場じゃけぇ」と怒られてしまうかも!?

生地と具材を混ぜずに、生地、野菜、肉、卵と別々に焼いて重ねる「重ね焼き」で、どろっとした濃厚なソース(オタフクソースが有名)、そしてそば(中華麺、またはうどん)が入るのが特徴。並んでいる人気のお店も多いのですが、並んででも食べたい広島グルメの筆頭なのです。

つけ麺(広島つけ麺・広島風つけ麺)

唐辛子の入ったピリ辛のツケだれが特徴のつけ麺が、広島つけ麺。チャーシューなどと共に茹でたキャベツが添えられているのも特徴です。

広島市内の「新華園」(1954年開店)が、中国の麺料理を元に考案、提供したのがはじめといわれている麺料理で、今や広島人のソウルフードの一つに。

真っ赤な見た目ほどに辛味だけが走っている訳ではなく、バランスのよい、辛味と酸味、出汁の旨味、胡麻油の香りと、たっぷり入った白ゴマの香ばしさがよく麺に絡んでとても美味。茹でキャベツの甘みがいいアクセントになっています。辛味の度合いの調節も可能。県内には広島つけ麺の専門店が約50店、取扱店も含めると約300店もの店で提供されているという人気メニューなのです。暑い夏には特にオススメの広島のご当地麺です。

小イワシの刺身

広島の人が愛する食べ物の一つに数えられる小イワシ。一昔前にはリアカーで朝どれの小イワシを売り歩いていたというほど、広島の庶民の馴染の味であったものです。中国山地を流れてくる栄養分たっぷりの水で繁殖するプランクトンをたっぷり食べて育つという小イワシの味は、「七度洗えばタイの味」とも称されるほど美味しいもの。足がはやく鮮度がよくなければ食べられないので、広島まで足を運んで食べるしかない、という限定の「広島グルメ」の一つです。

角寿司(かくずし)

その名前の通り、四角い形状をした角寿司(かくずし)は、酢飯に〆サバや蒲鉾、煮付けたアサリの剥き身、薄焼き卵、ほしえび、でんぶなどを乗せて作る押し寿司。

広島市や北広島町、安芸高田などで伝統的に作られ食べられている、いわゆる「いなか寿司」とよばれるもののひとつです。元々は結婚式や祭りなどめでたい時に振る舞われてきた料理のひとつで、時期によっては松茸などもトッピングされる豪勢なものとなります。大人数分を手早く作るために、四角形のわくの中にご飯を入れて、上に様々な食材を乗せ適宜切り分けて供します。おめでたい形の梅や松の形状をした型もあるそう。道の駅などでも販売されています。

あなご飯(あなごめし)

広島の瀬戸内沿岸の郷土料理が、漁師料理が発祥といわれるこの「あなごめし」。厳島神社のある宮島(厳島)の名物としても知られています。

瀬戸内産のあなごを背開きにしてから、まず白焼きにし、さらに醤油やミリン、酒、砂糖などを煮詰めて作るタレを数度にわたって塗りながら蒲焼に。それを一口大に切ってから、鰻丼よろしくごはんの上に並べたものです。ご飯もタレやあなごの骨で取った出汁などを混ぜ込んで炊いてあり、味が染みています。旬は夏、及び1月中旬で、特に1月中旬のものが美味いとか。もみじ饅頭と共に、宮島を訪れたら是非とも頂きたい一品です。

焼きアナゴ棒飯

尾道ラーメン

瀬戸内海に面する美しい坂の町、そして小津安二郎の「東京物語」や大林宣彦の「時をかける少女」など、名画の舞台となった町としても知られる尾道の人気ご当地ラーメンが、尾道ラーメン。今や、都市部にも多くの「尾道ラーメン」の店があるのでご存知の方も多いでしょう。

1928年(昭和3年)に中国の福建省から来日し、尾道市内の製麺所で働いていた人物が作り始めたのが最初と伝えられるラーメンで、瀬戸内海産のいりこ(煮干し)と鶏がら中心のクリアなスープと、濃い目のシンプルな醤油味のスープ、平打ち麺と、スープに浮かぶ豚の背脂が特徴のラーメン。お店によっても味わいが異なるので、時間とお腹が許すのであれば、いくつかのお店を食べ比べてみるのもおススメです。

ガンス

広島の名物魚肉練り製品がこの広島ガンス。広島では単にガンスとよばれます。印象的なその呼び名は、広島弁で「〜です」を意味する「〜がんす」から。

主にシログチやイワシなどのすり身に、みじん切りにした野菜や一味唐辛子などを混ぜ、パン粉をつけて揚げてあるのが特徴で、サクっとした中に、魚肉の旨味がほとばしり、ビールのお供にぴったりです。特に出来立て、揚げたてのものは、衣のさっくり感とパン粉の香ばしさ、熱々のジューシーな食味がなんともいえない美味しさなのです。

主に県内沿岸部のスーパーや惣菜店で売られているほか、居酒屋などでもお目にかかることができます。スーパーマーケットや道の駅、アンテナショップなどには「うまいでがんす」という袋詰めの商品も売られています。

その他の魚肉練り製品

ガンス以外にも、瀬戸内海の新鮮な魚を使った練り製品が美味しい広島。沿岸部には珍しいシャコを使ったものなど様々な種類の練り製品があり、専門店やスーパーマーケット、道の駅などで売られています。一個から購入できる場合も多く、さらに場所によっては出来立てを食べられることもあります。店頭で揚げたてや作りたてのものを味わうチャンスがあればぜひお試しあれ。いつも食べているものとは比較にならないほど、アツアツ出来立ての美味しさは格別です。

しゃこ丸天

ガス天

あなご竹輪

ししゃも卵天

子持ちこんにゃく

広島のレモン(広島レモン、瀬戸内レモン、瀬戸内広島レモン)

瀬戸田のレモンケーキ瀬戸田のレモンケーキ

和歌山県からネーブルの苗木を取り寄せた際に、レモンの苗木が混じっていて試しにその苗木を植えてみたのが、その栽培の歴史の始まりという広島のレモン。温暖で雨の少ない瀬戸内の気候がレモン栽培にとても合っていたことから、現在の呉市豊町大長を中心に広まりました。瀬戸田でも栽培面積が広がり、現在では大崎下島、大崎上島、豊島で栽培される「大長レモン」と、生口島、高根島(尾道市瀬戸田町)で栽培される「瀬戸田レモン」というブランド・レモンとして日本一の栽培量にして、国内シェア6割を誇っているのです。

輸入物のレモンは輸送時間がかかるために、防カビ剤や防腐剤が用いられていることが殆どな上、未熟な状態で摘果されるのに対し、広島のレモンは熟した状態で摘み、なおかつ防カビ剤や防腐剤などを用いなくてもよいというのが特長で、安心安全なレモンとして人気に。生のまま「果物」として出荷されているのはもちろん、「広島レモンケーキ」「瀬戸田レモンケーキ」などのお菓子等に加工されたり、「ふるさとレモン」という瀬戸田のレモンを粉末状にしたものなども販売されています。

ウニホーレン

広島市の繁華街「流川」界隈の一部の店で提供されているのがこの「ウニホーレン」。ほうれん草をウニとバターで炒めたものです。その美味しさは想像通り。ウニとバターの組み合わせが、よくある「ほうれん草のバター炒め」の美味しさを幾倍にも引き上げてくれるのです。

元々は広島市内の鉄板焼き店のメニューであったものが、少しずつ広まったといわれていて、クレソンをバターで炒めた「クレソンバター」が進化したもの、という噂。広島を代表する、というほどの王道の広島料理ではないのですが、居酒屋などで目にしたら一度は食べてみる価値があるメニューです。

もみじまんじゅう

世界遺産であり、日本三景の一つ「厳島」の名物が、もみじの葉をかたどったカステラ生地の焼きまんじゅうである「もみじ饅頭」。広島を代表する銘菓、広島の定番お土産の一つとして、全国的にも知名度の高い菓子です。

明治時代後期に和菓子職人が考案したものといわれていて、厳島の紅葉の名所「紅葉谷(もみじだに)」にちなみ、「もみじ饅頭」の名がつけられたのだそうです。

中身は定番のこしあんのほか、つぶあん、白あん、栗あん、抹茶あん、などから、チーズやチョコレート、カスタードクリームなど多様。色々な味を楽しめるのもまた魅力なのです。さらに揚げたもの(揚げもみじ)や餅生地のもの(生もみじ)、竹炭が入った黒もみじなどもあります。

厳島では、出来たてのもみじ饅頭を買う事も可能。焼きたてのものは、通常頂くことの多い常温の「もみじ饅頭」と一味も二味も違うもので、また格別なのです。足を運んで地元の銘菓の出来たてを味わう、これも旅の醍醐味ではないでしょうか。厳島を訪れた際には忘れずに焼きたてのものを試してみたい、広島のご当地菓子です。

Japan Web Magazine 編集部

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