大門素麺

おおかどそうめん

大門素麺

越中砺波の名産品

紙の包装を解くと姿を現すそれは、まるで絹糸の束の様な美しい見た目を持つ四つの塊。前情報もなしに初めて見ると、いや、知っていたとしても、小さな感動に近いものを覚えるほどに、美しくそれは紙の上に鎮座している。塊の一つを手に取ると、不思議と手のひらにしっくりとくる。感触はとてもしっかりとした印象だ。それが全国的にも珍しい、直線状ではなく「まげ」状の素麺、「大門素麺」だ。

大門素麺の歴史は150年ほど前に遡る。当時の越中国砺波郡大門村(現在の富山県砺波市大門)出身の薬行商人「田守三右衛門」が、加賀国能登の蛸島を訪れた時の事。その地の人々が加賀藩に献上する為の御用素麺を作っており、生活も比較的豊かであることを知る。早速その素麺の製造法を学んだ彼は地元に帰ってそれを伝えたという。大門に限らないが、農村は天候状態による農作物の出来により生活が大きく左右される。そんな中で冬の農閑期に行われるようになった素麺作りは貴重な収入源にもなったのである。

天日に干される素麺

大門素麺は冬の寒い時期に作られる。上質の小麦粉を使い、油を使わずに時間をかけて何度もこね合わせ、より合わせ、細く長く伸ばしていく。この作業は「太より」「中より」「細より」「引き伸ばし」と呼ばれ、熟練を要する作業だ。ある程度の長さに伸ばされた麺を「はさ」と呼ばれるさおにかけ下の端を、ゆっくりと引っ張っていく。一気に伸ばすと切れてしまうためだ。こうして丹念に縒りながら伸ばしていくことで、麺の繊維がさながらワイヤーのようになり、コシのある麺が出来あがるのだ。

大門素麺
大門素麺大門素麺

そのまげ状の形状から「島田素麺」「丸まげ素麺」とも呼ばれる大門素麺はある程度の長さに伸ばされた麺を完全に乾燥する前に(乾燥してしまうと折れてしまうため)四つに畳んで丸めて、最後に紙に包んで出荷される。このまげのような形、かつて俵で出荷していた頃に折れにくいようにと、まげ状で出荷していたものの名残だとか。長い麺を四つに畳んで丸めているだけなので、そのまま茹でるととんでもない長さの素麺が出来上がる。バリバリっと真ん中から二つに折ってから茹でるのが、大門素麺を茹でる時のポイントだ。

大門素麺

三分ほど茹でて、さし水をし、再沸騰したら、ざるに上げ、流水でよく洗う。つやつやとした茹で上がり。

大門素麺

大変コシのある麺は、冷たくしても温かくしても美味しく頂ける。

大門素麺

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