かぶら寿し
公開日: 2010年1月27日 | 最終更新日 2015年6月30日
日本の発酵食品
かぶら寿し
北陸の冬の味
かぶらというのは、「蕪」の事。かぶら寿し(かぶら寿司)は北陸地方、特に石川や富山で古くから作られてきた郷土のお漬物、伝統的な発酵食品だ。寒さの中で立派に成長した色白の甘いかぶらと富山湾で獲れた新鮮な魚、特にぶりやサバを使い、各家庭に先祖代々伝わるこうじ床に漬けられて作られる。こうじによって、魚のタンパク質が分解され、旨みへと変化して、何ともいえない味わいとなる。その絶妙の味は、「味の芸術品」とまで言われるのだ。
少し大きめに切ったかぶら寿し。口に入れると、まずはんなりとした上品な甘みと旨みが口の中一杯に広がる。しゃくっしゃくっとしたかぶらの食感。少し遅れてやってくる海の恵みの旨み。東北や北海道の飯寿司に比べると甘みが強い印象を受けるが、決してくどくはなく、とろけるような美味しさだ。
食べ方
こうじは洗わずに、食べやすい大きさに切りそのままで。発酵が進むと、乳酸菌の酸味が強くなるが、それを好む人も少なくない。