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伊那ローメン

伊那ローメン

伊那谷の麺料理

長野県伊那市。県の南側、いわゆる南信と呼ばれる地域にある人口7万人程の町である。東西に赤石山脈(南アルプス)、木曽山脈(中央アルプス)がそびえ、中央を天竜川が流れる自然豊かで美しい場所だ。知る人ぞ知る、この町の名物麺料理、それが「ローメン」。1950年代に、市内にある中華料理屋「萬里」の主伊藤和弌が、伊那周辺で盛んだった羊毛生産の副産物として手に入りやすかったマトンと特産のキャベツを使い、さらに地元の製麺業者の協力を得ながら作り上げたのがその始まりという。

「ローメン」と初めて聞くと少し不思議なサウンドだが、字で書くとよく判る。「ローメン」=「肉麺」。中国語に堪能でない方でも、「青椒肉絲(ちんじゃおろーすー)」「東坡肉(とんぽーろー)」「回鍋肉(ほいこうろう)」などと聞くと馴染みがあるだろう。「肉」=「ロー」だ。「ローメン」は元々「炒肉麺(チャーローメン)」とも呼ばれていて、文字通り肉を野菜などと炒めて作る麺。現在「ローメン」には汁タイプと焼きそばタイプの二種類がある。

伊那ローメンの特徴

1950年代といえば、電気冷蔵庫が一般普及する前で、飲食店でも冷蔵庫をおいていない店もそれほど珍しくなかった時代。求められたのは日持ちするということだった。マトンは塩漬けにして日持ちをさせ、キャベツは新鮮なものが手に入ったが苦労したのが麺だという。生の中華麺は比較的足がはやく、風味が悪くなる。そんな中で試行錯誤して生み出されたのが、「蒸し麺」であった。これは一度、生の中華麺を蒸してさらに乾燥させたもので、蒸して乾燥させる工程で麺が崩れないように、また中心部まで堅くなってしまわないように、太めに作られている。蒸して乾燥させる事で、生麺に比較して、日持ちが増し、独特の風味も加えられることとなった。この太目の麺と独特の風味が、「ローメン」最大の特徴だ。

上述の様に汁タイプと焼きそばタイプの二種類ある「ローメン」だが、ここでは焼きそばタイプをご紹介しよう。ローメンが運ばれてきてまず目に付くのが、やはりその麺の太さだ。一般的に太麺と呼ばれている中華麺よりもさらに太い。色も褐色がかっていて、濃い色をしている。皿から立ち上るキャベツと肉の炒まった芳ばしい香り。堪え切れずに矢庭に箸を伸ばし口に運ぶと、口の中に不思議な味が広がる。不思議というのは決して悪い意味ではない。想像とは違う味なのである。予想と違うので「脳」が、「不思議」と判断するのだろう。一般的な焼きそばのように、ソースが主張しすぎることもなく、甘みの中に、ウスターソースの酸味だろうか、ほのかな酸味も広がって、それがなんともマッチしている。シャキシャキっとしたキャベツと肉との相性もよい。そしてやはりインパクトがあるのがその太い麺。食べ応え、噛み応えがしっかりしていて、かといって、主張しすぎて全体のバランスを崩すということもない。何度も食べるうちに、次第に病みつきになってしまいそうな、そんな味である。

現在、伊那市を中心に「ローメン」をメニューに掲げるお店は100店以上にのぼるという。ローメンをまだ試してみたことのない方は、伊那周辺にお出かけの際に是非一度試してみてはいかがだろう。

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「ローメン」発祥の店。店内には様々なものを漬け込んだ薬酒も並ぶ。

伊那ローメン・萬里(ばんり)

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