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太宰治記念館 「斜陽館」

太宰治記念館 斜陽館

五所川原市 太宰治記念館【斜陽館】

ビルほどもある巨大な像が町を練り歩く五所川原立佞武多で有名な、青森県五所川原市に太宰治記念館「斜陽館」はあります。

五所川原市中心部から車で約20分、かつて金木村と呼ばれた集落に、太宰の父であり衆議院議員であった津島源右衛門が豪壮な木造2階建て入母屋造りの邸宅を建てたのは1907年(明治40年)のこと。建築費は当時の金額で4万円であったといいます。1909年(明治42年)6月19日に生まれた太宰は、1923年(大正12年)に中学進学のために青森市へ転居するまで、この家で暮らしました。

その後、太宰は上京し、当時は非合法であった共産党活動を行ったり、自殺未遂を繰り返すなどしたため勘当されましたが、1942年(昭和17年)には勘当が解かれ、1944年(昭和19年)5月に「津軽」執筆のために知人と津軽半島を旅行した際にこの家に滞在したり、1945年(昭和20年)には戦争が激しさを増したために妻子を伴って疎開しています。

太宰治記念館 斜陽館

1階11室278坪、2階8室116坪、付属の蔵や建物、庭などを含めると広さ約680坪にもなる大邸宅で、往時の津島家の豊かさが随所に垣間見えます。建築材には、米を入れる蔵に至るまで最高級の青森ヒバが使われています。

太宰の死後、1950年(昭和25年)に津島家はこの邸宅を売却し、旅館となりました。

太宰治文学記念館を併設した旅館は、太宰の小説「斜陽」からその名を取って「斜陽館」と呼ばれ、太宰が実際に暮らした家に宿泊できるとあって、一時は多くの太宰ファンでにぎわったといいます。旅館が赤字となって営業をやめた後、当時の金木町が建物を買い取り文学館としての再生が決定。

改装後、太宰治記念館「斜陽館」として再オープンしたのは1998年(平成10年)のこと。以来、日本国内のみならず、世界中から太宰ファンが訪れる場所となっています。

蔵を改造した展示スペースには、太宰が生前愛用した品々、着用していたマントや帽子、執筆用具、直筆原稿、兄や川端康成ら、兄弟友人知人との書簡などが展示されているほか、妻の美知子らが寄贈した希少な初版本や数々の外国語の翻訳本も展示されています。

建物(主屋・蔵など)およびレンガ塀、敷地は、2004年(平成16年)に国の重要文化財に指定されています。

太宰治記念館 斜陽館

太宰治記念館 斜陽館

太宰治記念館 斜陽館

太宰治ゆかりの場所としてファンが楽しめるのはもちろんですが、「建築好き」「昔の建物好き」「古民家好き」にとっても、この斜陽館はとても魅力的な場所です。全体の構成、細部の繊細さ、光の加減、影の具合、どれをとっても非常に豊かで美しく、100年以上前の職人たちの丁寧な仕事ぶりが伺える素晴らしいものなのです。もしかしたら、太宰ファンが1時間滞在するとすれば、建物好きなら何時間いても飽きないかもしれません。

今や叶わぬことですが、この素晴らしい建物に旅館として泊まることができた時代があったというのが羨ましい限り。

太宰治記念館 斜陽館

太宰治記念館 斜陽館

太宰治記念館 斜陽館
太宰誕生の部屋(小間)。

太宰治記念館 斜陽館

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太宰治記念館 斜陽館

太宰治記念館 斜陽館

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太宰治記念館 斜陽館

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太宰治記念館 斜陽館

太宰治記念館 斜陽館

太宰治記念館 斜陽館

表から見ると純和風の建物に見えますが、内部は和洋折衷で二階へ上がる階段も洋風。二階には洋間があります。

太宰治記念館 斜陽館

太宰治記念館 斜陽館

太宰治記念館 斜陽館

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斜陽館 まとめ

「斜陽館」は、純粋に建物としてどこを見ても素晴らしいものです。その一方で、今よりも貧富の差が目に見えやすい形で顕著であった当時、何人もの子供を抱えた家族があばら家のような家屋で暮らしているのを目にしたかもしれない太宰が、これほどまでの豪邸を所有する家に生まれ育ち、何かのきっかけでその違和感を感じたのだとすると、太宰治の作品の根底に流れるもの、太宰治という人間を作り上げた背景を理解する上で、やはりこの建物に足を踏み入れ、内部を見て肌で感じることはとても重要なことかもしれません。建物はもちろんですが、当然、気候風土も大きく人格形成に影響したことでしょう。夏と冬、できれば春と秋にも訪れてみると、また何か違ったものを感じることができるかもしれません。

冬の斜陽館冬の斜陽館

そういった意味でも太宰ファン、文学好きには特に、そしてもちろん建物好き、歴史好きな人々に、ぜひ足を運んでみていただきたい場所です。

太宰治記念館 斜陽館 詳細データ

Japan Web Magazine 編集部

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