柳川の川下りの風景
公開日: 2015年5月20日 | 最終更新日 2023年5月20日
薄曇りではあるものの、心地よい風が吹く5月の或る日の福岡県柳川市。町の中を流れる川(堀)をゆったりとゆく「どんこ船」から見る風景。
北原白秋の故郷としても知られる水郷の町「柳川」は、今から約410年前の慶長6年(1601年)に柳川城の天守が築かれた際、城下町として整備された町。
海に近く、元来湿った低い土地であったところに、人の手により至るところに堀がめぐらされ、城や城下の防衛、治水、利水の為に利用された。
堀を掘る際に出た土を盛り上げて土手を築き、乾田を作って作物を育て、その一方で水が張られた堀は農業用の貯水池としても活躍した。
そのほか、生活用水としても欠かせない存在で、柳川の人々の暮らしはこの「堀」なしでは考えられないほど、重要なものであったという。
現在も柳川の中心地2キロメートル四方のエリアに延長60キロメートルにも及ぶ堀が残されており、今なお、柳川の人々の暮らしに密接にかかわりあっているのである。