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奥入瀬渓流

奥入瀬渓流

清らかなる音

目をつむって耳を澄ますと、せせらぎの音と葉擦れの音、そして鳥の声が聞こえてくる。それは平和で心地よい音。鼓膜を涼やかに震わせる風鈴の音のような清らかな音だ。深く息を吸い込むと、その構成分子の一つ一つにまで森の恵みが充満したような透き通った空気が胸の奥に入ってくる。それは身体中の細胞を活気づけ、元気にする。耳と鼻はすっきりと通り、目は見開かれ、頭は澄み渡る。血は渓流の水と同じ様にさらさらと軽やかに流れ始める。そんな気さえするほどに、全てが澄み切っている。安らかでたおやかな世界。全ては優しげなクリスタルの様にゆっくりと純化していくのだ。

ここは、青森県南部の十和田市。秋田県と青森県に跨って佇む国内12番目の面積を有する湖「十和田湖」から流れ出す清流「奥入瀬川」の川沿いである。十和田湖の子の口から流れ出した水は、美しい森の中をさらさらと流れ14キロ先で蔦川に合流する。この十和田湖「子の口」から蔦川に合流するまでの間の流れが「奥入瀬渓流」として知られる清流だ。

豊かな森を抜けていく水は、足のくるぶしほどの浅瀬を流れ行く。流れの合間に顔を見せている岩は苔むし、鮮やかな緑色をしている。時に流れは向きを変え、時に深みや小さな滝となり、そうして滔々と流れてゆく。ある場所では更紗の様に、ある場所では薄絹の様に、形をかえ勢いをかえながら、悠々と流れゆく。水の流れは勿論雄大な大河のそれではない。かといって山岳地帯を転げ落ちる急流の様でもない。それは例えるならば、柔らかくにこやかに微笑みながら戯れる美しい霧の様だ。木々の合間から漏れ来る陽光をその身に受けながら、岩々を優しく愛撫しするりとすり抜けていく。後には想いの形骸すらなく、小さな幸せの残照だけが微かに漂う。究極の想念の具現化のような流れ、それが奥入瀬渓流だ。

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奥入瀬渓流
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冬の奥入瀬渓流

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奥入瀬渓流

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