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高野山金剛峯寺

高野山金剛峯寺・根本大塔

日本有数の聖地

その場所は、地域全体が何か大いなるものに守られているような、厳かな「何か」に満ち満ちているような、穏やかな流れがあるようなそんな場所だ。それはきっと気のせいではない。ややもすれば、観光客や土産店の雑とした喧騒さえもふわりと包み込んでしまうような包容力。千年以上という長い時を越えて人々に崇敬され、大切にされてきた、そんな場所だ。

高野山

「高野山」

和歌山県伊都郡。和歌山湾から直線距離にして50キロほどでしょうか、内陸部の山あいに、人の「信じる心」が作り上げた一大聖地があります。いえ、作り上げたというのは違うのかもしれません。日本中に幾つもある聖なる土地、パワーのある場所、現代なら「ヒーリングスポット」とも呼ばれるような清浄なる地を、修行を重ね、一般の人々が容易に知覚できないようなことさえも感じられるような能力を身に着けた高僧が、発見(もしくは選択)し、その地を「聖地」と定めた事で、徐々に多くの人々が集うようになり、次第に出来上がっていった、という方がより正しいのかもしれません。

いずれにせよ、1000メートル級の山々に囲まれた一つの山が、1200年もの長きに渡り多くの人々の心の拠り所となるような、日本でも有数の聖地の一つとなったのです。

その名は「高野山」。いわずとしれた平安時代の高僧・弘法大師「空海」によって開かれた真言宗の中心地です。山域内に117の塔頭(寺院・別院)を擁す真言宗の総本山。開創以来、武家、貴人、町民、貴賎の別なく、数多くの様々な人々から崇敬を受けてきました。

金剛峯寺とは

「金剛峯寺」は真言宗高野山の中心的な寺院。金剛峯寺とはもともと、高野山の山全体を指す言葉で、真言宗の総本山としての高野山と同義であったものですが、明治になって豊臣秀吉が母親の菩提のため応其上人に命じて建立した寺「青巖寺」と「興山寺」等を合併、寺院の名として「金剛峯寺」と呼ぶようになったものです。現在も、弘法大師信仰の中心地として、真言密教の聖地として、一般人はもとより、政財界、スポーツ、芸能界等々、各界の様々な人々の崇敬を受け、多くの参詣者を集めています。

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高野山

根本大塔

多宝塔としては、日本で最初に建立されたもの。816年から887年ごろに完成したと伝えられます。

高野山高野山高野山
高野山
高野山

   

高野山

    

高野山
高野山

愛染堂。後醍醐天皇の命により建てられたもの。1848年(嘉永元年)再建。

高野山
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高野山
高野山

大会堂(1175年建立)

高野山
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高野山
高野山

金剛峯寺石庭

高野山
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高野山
高野山
高野山
高野山

大円院

大円院

高野山内に数ある別格本山の一つ大円院。高山樗牛の小説「滝口入道」で有名な斉藤時頼(滝口入道)とその恋人「横笛」の悲恋物語の舞台にもなった場所です。延喜年間(901~923)に聖宝理源大師により開創。

奥の院

大塔、金堂をはじめとした諸堂が並ぶ壇上伽藍と共に高野山の二代聖地の一つである高野山奥の院。奥の院の参道沿いには、誰もがその名を知る武田信玄、上杉謙信、伊達政宗、石田光成をはじめとして加賀前田家、薩摩島津家、備前池田家、筑後有馬家、北条(後北条)家、陸奥南部家、紀伊徳川家、近江井伊家、安芸浅野家といった、そうそうたる戦国~江戸時代の武将、大名家の廟が並んでいます。

高野山奥の院
奥の院

奥の院
奥の院
奥の院
奥の院
奥の院

高野山奥の院

高野山奥の院

信じるとはなんだろう。人を信じる。物を信じる。天気予報を信じる。占いを信じる。神を信じる。仏を信じる。自分を信じる。人は皆それぞれ何かを信じて生きている。思い思いに、気がつけば、知らず知らずのうちに、何かを信じている。ある人は日常的な何かを信じ、ある人は何か超越したものを信じ、ある人は人を信じ、ある人は自分を信じる。ある人は「信じる事」を信じ、ある人は「信じない事」を信じる。皆、そうして日々暮らしている。おぼろげながら、確信しながら、半信半疑で、微塵も疑わず、何かに向ってしっかり、漠然と、迷いながら、まっすぐに、寄り道しながら、歩いていく。信じるから、進めるのか。進むから、信じられるのか。信じるとは、人に与えられた先天的な何かによるものなのか。それとも、生まれ育った環境で、芽生え、育まれるものなのだろうか。

全ては、明日には変わってしまうかもしれない。明日には消えてしまうかもしれない。それは自分の肉体を含めた、諸事万般全てに通じる事。そして、「信じる」というのは、突き詰めればそれさえも越える事。時に、信じることは難しく、時に、無力だ。それでも、人は信じ続ける。何かに向って進んでいく。今日に続く明日へと。明日に続く今日を。

信じるということは様々な意味において、意義のあることに違いない。それはその人の生きる上での規範になるだろう。拠り所になるだろう。希望になり、力になり、目的にさえなるだろう。現実と虚構。リアルと空想。およそ、人の思いつくことは、中々人の身体を抜ける事はできない。話せない言語を聞き取る事ができないように。しかし、それでもなお、人の意識を超えたものはあるのかもしれない。魂と想念はゆるやかに羽ばたきながら、三千世界を行き来する。

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2004年7月に、ユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として登録されています。

高野山

Japan Web Magazine 編集部

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