小笠原 ジョンビーチから眺める風景
公開日: 2015年5月26日 | 最終更新日 2022年11月3日
ビーチと呼ぶには砂浜もそれほど広くはなく、ごつごつとした岩やサンゴが転がっているが、それでも、都心から1000km離れた太平洋の島で、砂浜と美しい景観を独り占めするのは中々素敵だ。
都心では目にすることのない南の島特有の濃青の空。たなびく雲。打つ寄せる波の音。目の前には無数の無人島が浮かぶ。
それは、小さい頃に夢見た「ロビンソン・クルーソー」の世界。いや、どちらかというと「家族ロビンソン」のイメージに近いだろうか。
流れ着いたものや島にあるもので家を作り、道具を作り、服を作り、食べ物を確保する。動物と格闘したり、蜂の巣から蜂蜜を採取し、蜜蝋から蝋燭を作ったりする。そこには都会で暮らすような快適さや清潔さ、便利さがない代わりに、驚きや発見や新鮮さがある。不安や不満ももちろんあるが、一方で、今までの生活で感じることのなかった「大切なもの」が沢山ある。
実際に無人島で暮らすことなど、困難や苦労の方が遥かに多いであろうにもかかわらず、なぜだか無人島の暮らしに憧れてしまう。そんな人は多いのではないだろうか。
無論、ここは無人島ではなく、れっきとした「東京都」の小笠原諸島・父島のビーチだ。人が住んでいる所から山を越えて2時間ほどで着けてしまう。それでも、ほかでは中々体験できない特別な時間を味わうことができる場所だ。一度きりしかない人生、たまにはこんなところで一人きり、海を眺めながら「なんにもしない」というのも悪くない。